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【Q&A】結局、どっちが勝った?日産vs.ルノーの主導権争い

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日産自動車ホームページより

「外堀」を埋められた日産

Q 2019年3月12日に開いた3社共同会見では「3社の合議による経営体制」が強調されている。

A  アライアンス・オペレーティング・ボードは、ルノー2名、日産と三菱自動車が各1名の4名で構成される。「ゴーン支配の権化」と言われたルノー日産BVは、社長がルノー、副社長は日産、それに両社から3人ずつ6人の役員を加えて8人で発足した。副社長は当時日産の社長だったゴーン前会長が就任したものの、形式上は両社対等だった。新組織は最初からルノーが2名と、主導権を握る構造になっている。

Q 共同記者会見で西川廣人日産社長が「新組織は多数決で決めるようなことはしない」と明言していた。ルノーの代表が1人多いからといって、それほど影響はないのではないか?

A その直後にスナール会長が「少人数の合議なので、誰が何を発言し、誰の責任でそうなったのかが明確になる」と畳みかけるように発言した。さらには「新組織では記者の皆さんが驚くほどのスピードで事が進む」とも。悠長に「全会一致の結論が出るまで、じっくり話し合いましょう」という雰囲気ではない。

他の役員も参加するルノー日産BVとは違い、4人の会長、CEOのみが参加する新組織での評議は「トップ同士のガチンコ勝負」。スナール会長が強調した「スピード重視」となれば、日本人にありがちな「社内に持ち帰って検討します」は通用しない。その場での瞬時の意思決定が得意なフランス人トップと丁々発止でやり合うのは、日本人経営者には荷が重いだろう。結局はルノーのペースで議論が進むのではないか。

Q ルノーはアライアンス・オペレーティング・ボードを新設することで、日産の「外堀」を埋めたことになるのか?

A そういうことだ。合議で言い負かせれば、ルノーとしても「日産の合意を得た」との大義名分を得る。さらに「内堀」にも手を伸ばしている。アライアンス・オペレーティング・ボードの設置により、3社連合内で日産は自社が出資する三菱自動車工業<7211>と同格になった。

日産の西川社長は、ルノーに「堀」を埋められるつあるのか?(日産ホームページより)

三菱自動車をコントロールする日産三菱BVも事実上廃止され、日産が直接同社にコミットできなくなる。たとえば日本国内のプロジェクトで三菱自動車が日産の方針に不満があれば、アライアンス・オペレーティング・ボードに持ち込める。そこでルノーにひっくり返されれば、日産は手も足も出ない。三菱自動車がルノーに接近すれば、日産の自主性はますます危うくなる。

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