【意外な子会社】チャコット・成城石井・ティップネスはどこの傘下?

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チャコットの代官山本店(東京都渋谷区)

この会社ってあのグループだったの…。よく知られた会社でも、親会社の名前を聞いて思わず驚くことがある。実はM&Aが関係していることが多い。そんな「意外な子会社」として今回ピックアップしたのはチャコット、成城石井、ティップネス。で、3社の親会社は?

1.バレエ・ダンス用品のチャコット

バレエ・ダンス用品の国内トップブランドとして圧倒的な知名度を誇る「チャコット」(東京都港区)。その名前を聞けば、バレリーナに夢見た少女時代を思い出す人も少なくないはず。ジュニア・キッズから、レディース、プロのダンサーまで顧客層は幅広い。

チャコット代官山本店(渋谷区)

戦後間もない1950(昭和25)年に創業し、東京・板橋でトゥシューズやバレエシューズの製造に乗り出した。1961年に法人化し、スワンシューズを設立。レオタード、タイツなどに手を広げ、総合用品メーカーとして道を切り開いてきた。バレエ・ダンスはもちろん、フィットネス、ヨガ、新体操、フィギュアスケート、コスメまでカバーする。現在、全国に直営26店舗。カルチャースタジオ10カ所を運営する。

チャコットに社名変更したのは1974年。創業者の土屋誠(つちや・まこと)から「ま」を抜いた語順を入れ替えてネーミングしたとされる。

そんなチャコットに一大転機が訪れたのは1990年。同族経営にピリオドを打ち、アパレル大手のオンワード樫山(現オンワードホールディングス)の傘下に入ったのだ。

2.上場が取りざたされる成城石井

成城石井(横浜市)といえば、今や高級スーパーの代名詞とされる。関東を中心に中部、関西に店舗を広げ、約200店舗を数える。2022年2月期業績は売上高1097億円、営業利益122億円。ここへきて東証プライム市場への上場が取りざたされている。

都内の店舗(西東京市)

それもそのはず。コンビニ3強の一角を占めるローソンの傘下で“孝行息子”に成長を遂げたからだ。

ローソンが三菱商事系投資ファンドの丸の内キャピタル(東京都千代田区)から成城石井を約360億円で買収したのは2014年。当時に比べ売上高は倍増し、店舗数も6割増えた。親会社のローソンとして「出口戦略」として、成城石井について子会社上場の検討にいよいよ動き出した模様だ。

成城石井は1927年に東京・成城で食料品として創業。1976年からスーパーとして営業展開をスタートし、高価格帯の特徴ある品ぞろえを売り物にする。

ただ、その歩みは決して平たんではなかった。2004年に焼肉「牛角」などを展開するレインズインターナショナルの傘下に入った後、2011年に丸の内キャピタルに経営権が移った経緯がある。

3.ティップネスはサントリーの元子会社

では、首都圏や関西など都市部でフィットネス事業を手がけるティップネス(東京都港区)はどうか。

コナミスポーツクラブ(コナミホールディングス傘下)、セントラルスポーツ、ルネサンスに次ぐ業界4番手で、店舗数は167(2022年3月時点。24時間ジム「FASTGYM24」110店舗を含む)。こちらの親会社は意外にも日本テレビホールディングス。

都内の店舗(中野区)

ティップネスもM&Aと無縁というわけではないのだ。1986年にサントリー(現サントリーホールディングス)の子会社として発足し、2001年に丸紅系スポーツクラブのレヴァンを吸収合併した。日本テレビが買収に動き出したのは2014年。新たな収益源と位置づける「生活・健康関連事業」の本格展開の第一歩とする狙いだった。

ティップネスに限らず、スポーツクラブ各社の経営はコロナ禍による会員減少や利用自粛などで体力を奪われてきただけに、反転攻勢が急務になっている。

文:M&A Online編集部

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