大切な人とのデートにおすすめできる、東京の名店をご紹介します。確実に満足できる味と雰囲気はもちろん。店舗の経営体制までわかります。この記事を読めば、お店で絶品料理と上質な空間を楽しみ、さらに薀蓄を語って話が盛り上がること間違いなしです。今回ご紹介する店舗と会社は以下3つです。
1つ目にご紹介するのが銀座コリドー街にある、牡蠣に特化したシーフードレストラン「MAIMON GINZA(マイモン ギンザ)」です。ガラス張りのファサード(建物正面)から、薄暗い店内を見ることができます。カウンター前に、牡蠣やホタテ、フルーツなどが青白く光る氷の上にずらりと並んでいます。飲食業界で良くいわれる、”エロい”店の典型的な例。大人のナンパスポットとしてすっかり有名になったコリドー街、少人数用の席を設けた1階席は、いかにもそれらしい男女が談笑している姿を見かけたりします。
おすすめは2階席。照明は明るすぎず、暗すぎないちょうど良い雰囲気。茶系を多用したトーンで落ち着いています。1階は”六本木感”が漂っていますが、2階はちゃんとした”銀座”です。客層は30~40代の男女で、落ち着いた会話を楽しんでいます。
料理は多彩。オイスターバーのように、産地別の牡蠣を楽しむことができます。ウニやエビをふんだんに使った料理のほか、和牛のサーロインステーキなどもあり、海鮮料理が苦手な人でも楽しめるお店です。アルコール類も充実。牡蠣といえば白ワインですが、辛口白ワインの王様「エール・ダルジャン」から、牡蠣にはシャブリといわれる「ドメーヌ・ドラ・コルナス」まで。高級ワインもリーズナブルなものも、幅広く取り揃えています。日本酒やウィスキーも各種揃っていて、幅広い年代層で楽しめるお店です。
さて、この「MAIMON GINZA」。DDホールディングスの子会社、シークレットテーブルが運営しています。DDホールディングスは、売上高450億円、業界の売上高ランキングでは現在8位の規模。コンセプトレストラン「アリス」や、九州居酒屋「熱中屋」などを展開しています。ダーツ・ビリヤードの「BAGUS」も買収により傘下に入りました。「MAIMON GINZA」はDDホールディングスが2008年に買収した店舗です。
その前まで、この店舗はグッドウィル・グループの子会社フードスコープが運営していました。フードスコープの設立は1998年。居酒屋業界に新たなコンセプトを持ち込んだ、今井浩司氏の焼き鳥店「今井屋総本店」が前身となっています。今井屋は比内地鶏ブランドを前面に出し、白レバー、ぼんじりなどの希少部位をメニューに載せたことで有名です。砂肝やハツなどの刺身も提供しました。こうしたコンセプトやメニューは今や珍しくもありませんが、それはこのモデルを様々な店舗が真似したから。当時は究極の鶏料理などと言われて、凄まじい人気を誇っていました。勢いにのった今井氏は水炊き専門店「さかえや」や「MAIMON」といった業態を次々と立ち上げます。
グッドウィルは子会社コムスンの不正請求問題などを受け、2008年に廃業。フードスコープは一時ラディアホールディングス(グッドウィルの受け皿会社)に移行しましたが、DDホールディングスがすくい上げる形となりました。買収した狙いは2つです。
同社は2009年2月期に100店舗展開の目標を掲げており、買収により達成しました。また、高単価の業態開発ができないという弱点をM&Aにより克服し、高級業態専門のシークレットテーブルを立ち上げることができたのです。