毎月気になる企業をピックアップし、その企業の占星術的な視点からポイントをお伝えしています。今回は松竹株式会社(1920年11月8日、帝国活動写真株式会社として設立)をピックアップしました。
松竹は東宝、東映と並ぶ日本の映画およびエンターテインメント業界の3大企業として知られています。
同社は歌舞伎(歌舞伎座、新橋演舞場、大阪松竹座、南座など)の興行も手がけており、映画だけでなく、伝統的なエンターテインメントの領域でも大きな存在感を放っています。
ただ、5月に起きた歌舞伎俳優、市川猿之助被告の一家心中騒動に揺れており、コロナ禍からの回復が続く映画業界にあって、松竹だけが乗り遅れる格好になっています。
そんな松竹の今後を西洋占星術を使ってチェックしていきたいと思います。
まずは松竹の傾向を占星術で見てみようと思います。
同社のミッションで掲げられている「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する。」とある通り、歌舞伎など伝統芸能を仕切る存在として、まさしく最適なホロスコープ(星配置)です。
伝統を意味する山羊座と慎ましく守る乙女座が協力し、カリスマ性を意味する蠍(さそり)座の太陽が光り輝くような、力強い星配置を持っています。
そんな伝統的な舞台と映画の融合を図る「METライブビューイング」(ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の公演を日本全国の映画館で上映)や「松竹ブロードウェイシネマ」(ニューヨークのブロードウェイの傑作舞台を映画館で上映)といった新機軸を打ち出すなど、精力的なチャレンジを繰り返していますが、このような伝統だけで終わらせない工夫をする能力も、同社のホロスコープにはしっかりと見ることが出来ます。
ただ、そのようなチャレンジは簡単に出来ることではなく、かなり難解な工夫を繰り返した先でのクリエイティブになる星配置なので、予想通りのヒットにつなげることは難しいでしょう。
観客動員数や興行収益だけを見ると大ヒットにはつながらないことから、簡単に事業を整理すべきと言う意見が出てくるが、同社がこのようなチャレンジをしなくなっては今後の発展の道は閉ざされるので、数字が振るわなくてもしぶとくプロモーションや企画のさらなるブラシュアップを目指すべきでしょう。
その上で、同社のもうひとつのミッションである「時代のニーズをとらえ、あらゆる世代に豊かで多様なコンテンツをお届けする。」。この点においてはまだまだ攻め切れていない印象を感じます。
伝統芸能に頼りすぎた事業スタイルにはもう限界が来ているのは明らかですし、そこから脱却をするチャンスはこの数年を見ても確実にあったであろう星配置です。
伝統と時代のニーズの融合だけでなく、切り分けた企画をヒットさせるポテンシャルを感じるホロスコープなだけに、その点はもったいなさが見えてきます。
ではこれから松竹の今後の流れを見てみようと思います。