松竹 「猿之助事件」を乗り越え、東宝・東映追撃へ道筋は?|ビジネスパーソンのための占星術

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東京・数寄屋橋で

こんにちは、柳川隆洸です。

新月のタイミングに合わせて毎月1回、「ビジネス×占星術」の内容で連載をしています。西洋占星術では1ヶ月の始まりを新月としており、新月の星配置を見ることで1ヶ月の社会的傾向を知ることができます。

まずは先月7月18日の新月から1ヶ月の振り返りをしたいと思います。

前回の記事で、太陽・冥王星の影響から「武力行使などに出てしまうと徹底した攻撃という判断にもなってしまう危険さをはらんでいる天体配置」とお伝えしていましたが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は収まる気配が見えず、日々その被害を大きくしています。

また「気候が極端に暑くなる」という星配置をお伝えしていましたが、7月の世界の平均気温が観測史上最高に達したとのニュースが報じられました。

そんな状況での9月(8月末)新月からの星の影響を見てみましょう。

反抗心が支配する1ヶ月に

新月は8月16日18:37です。

この新月から反抗心が1ヶ月を支配しそうです。これまで攻められたり理不尽な立場立たされたことから、反抗心による反転攻勢が起きやすくなります。

これは国単位でも起きますし、個人でも起きえますので、リーダー的な立ち位置にいる人にとっては、これまでの振る舞いの結果が部下や年下の者から反抗心という形で表現される可能性があるでしょう。

これらは特に8月いっぱいまでは強く影響しやすいので、リーダーの方はこの期間の目立った行動は慎む方が良いでしょう。

9月に入ればかなり緊張感は緩み、世界全体でも楽観的な雰囲気が出てきそうです。

8月24日から水星が逆行を始めます。この間はコミュニケーションエラーが起きやすく、またヘイトスピーチなどを耳にする機会が増えるかもしれません。

たとえ平和的な発言をしているようであっても、その裏には他者を貶(おとし)めるような意味を含めている可能性がありますから情報は正しく精査するようにしましょう。

この影響は9月15日まで続きます。

8月16日からの1ヶ月をネガティブに捉えれば前述した反抗心がクローズアップされやすいですが、良い面を見れば新しい未来を感じるニュースなども聞こえてくるはずです。

イノベーティブな情報や提案はポジティブに転換しやすいので、未来の可能性に視点を持つようにしてください。また9月からは特に浪費が目立ちやすく、市場の価格は乱高下する可能性があります。

収支の管理は怠らず、投資は慎重に行うようにしてください。

【企業ピックアップ】松竹

毎月気になる企業をピックアップし、その企業の占星術的な視点からポイントをお伝えしています。今回は松竹株式会社(1920年11月8日、帝国活動写真株式会社として設立)をピックアップしました。

松竹は東宝、東映と並ぶ日本の映画およびエンターテインメント業界の3大企業として知られています。

同社は歌舞伎(歌舞伎座、新橋演舞場、大阪松竹座、南座など)の興行も手がけており、映画だけでなく、伝統的なエンターテインメントの領域でも大きな存在感を放っています。

ただ、5月に起きた歌舞伎俳優、市川猿之助被告の一家心中騒動に揺れており、コロナ禍からの回復が続く映画業界にあって、松竹だけが乗り遅れる格好になっています。

そんな松竹の今後を西洋占星術を使ってチェックしていきたいと思います。

伝統芸能を仕切る最適なホロスコープ

まずは松竹の傾向を占星術で見てみようと思います。

同社のミッションで掲げられている「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する。」とある通り、歌舞伎など伝統芸能を仕切る存在として、まさしく最適なホロスコープ(星配置)です。

伝統を意味する山羊座と慎ましく守る乙女座が協力し、カリスマ性を意味する蠍(さそり)座の太陽が光り輝くような、力強い星配置を持っています。

そんな伝統的な舞台と映画の融合を図る「METライブビューイング」(ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の公演を日本全国の映画館で上映)や「松竹ブロードウェイシネマ」(ニューヨークのブロードウェイの傑作舞台を映画館で上映)といった新機軸を打ち出すなど、精力的なチャレンジを繰り返していますが、このような伝統だけで終わらせない工夫をする能力も、同社のホロスコープにはしっかりと見ることが出来ます。

ただ、そのようなチャレンジは簡単に出来ることではなく、かなり難解な工夫を繰り返した先でのクリエイティブになる星配置なので、予想通りのヒットにつなげることは難しいでしょう。

観客動員数や興行収益だけを見ると大ヒットにはつながらないことから、簡単に事業を整理すべきと言う意見が出てくるが、同社がこのようなチャレンジをしなくなっては今後の発展の道は閉ざされるので、数字が振るわなくてもしぶとくプロモーションや企画のさらなるブラシュアップを目指すべきでしょう。

その上で、同社のもうひとつのミッションである「時代のニーズをとらえ、あらゆる世代に豊かで多様なコンテンツをお届けする。」。この点においてはまだまだ攻め切れていない印象を感じます。

伝統芸能に頼りすぎた事業スタイルにはもう限界が来ているのは明らかですし、そこから脱却をするチャンスはこの数年を見ても確実にあったであろう星配置です。

伝統と時代のニーズの融合だけでなく、切り分けた企画をヒットさせるポテンシャルを感じるホロスコープなだけに、その点はもったいなさが見えてきます。

ではこれから松竹の今後の流れを見てみようと思います。

「時代のニーズ」を捉えられず

コロナ禍で打撃を受けた同社ですが、古典芸能を中心とした演劇事業のインバウンド(訪日客)需要が回復し始めている昨今の流れに乗ってV字回復を目指せるかという段階を迎えています。

そんな折に突然降ってきた市川猿之助被告の一家心中騒動が同社の巻き返しにストップをかける状況となっています。

今回の騒動ですが、この事件が起きた2023年5月頃のホロスコープを見ても、実は同社にとってネガティブな星配置はありませんでした。

このことから考えられるのは、事件としては痛ましい出来事ですが、同社にとっての影響は一時的なもので、深刻な事態にはならない可能性が示唆されます。

とは言いましても、数字は顕著に出ておりこの事件で一時、2000円程度の株価下落につながっているのはどう言うことかというと、事件によるネガティブというより、この数年間の業績低下に対して悲観的になり、事件が引き金になって下落しただけではないかと考えられます。

つまり同社にとっての失敗があるとすれば、もっと根本的なところで、まさしく「時代のニーズ」を捉えきれなかった一点に尽きるでしょう。

実は、世界的に2011年頃から映像関連の流行が始まることは占星術でもハッキリと出ていました。

つまり松竹の映画事業を東宝や東映に負けない主力事業に仕上げることは「時代のニーズ」を捉えるための絶対条件であったと言えます。

同社にとってそれを実現するチャンスはこの数年間の間にもあって、まさにコロナ禍で打撃を受け始めた2020年初頭から2022年にかけての2~3年間は、映画事業を大きく発展させる可能性に満ちていた時期でした。

この機を捉え映像関連の事業を拡大することが出来ていれば、今回の騒動があったとしても、それほど数字に影響する可能性は低かったのではないかと思います。

2026年頃に新たな流れが到来か

では、今後の展開として同社のチャンスはあるのかというと、あります。

2011年から続いた動画配信サービス「Netflix」などを中心とした映像関連の盛り上がりも2026年頃から頭打ちになり、新しいデバイスなどでの映像の流行が始まるであろうことが、占星術からも見て取れます。

この新たな流れに同社は割と乗りやすいホロスコープを持っていますので、2026年からイノベーティブな企画を生み出すことが出来れば現状をひっくり返すインパクトを映画業界に与えられるのではないかと感じます。

その狙いが大きく結果を結ぶのが2032年頃になりそうで、同社が現在チャレンジしている「伝統的な舞台と映画の融合」もこの時期頃に日の目を見る可能性があるのではないかと思っています。

いずれにしても旧来通りのインバウンドに頼り切った事業成長ではライバル企業に追いつけないでしょうから、新たに来る時代のニーズにあった企画のリリースを楽しみにしたいです。

※次回公開予定は9月14日です。