7-9月の国内TOB、3件にとどまる

 2017年第3四半期に公表された国内株式を対象とするTOBは3件でした。 直前四半期の公表件数は7件、前年同期の公表件数は14件でしたので、TOB市場は引き続き鎮静化傾向にあります。 

 3件のうち、1件(東レ・三井物産による曽田香料買収)が親子上場会社における上場子会社の非上場化を目的として実施したもの。今回は、一般的な完全子会社ではなく、親会社の東レ(TOB前50.03%)とビジネスパートナーの三井物産(TOB前15.01%)が共同で行い、TOB後支配比率を前者66%、後者34%として、親会社特別決議拒否権付き投資パートナーの2社所有形式とする変則的なものでしたが、本質的には親子上場の解消に取り組む動きの一種と評価できると考えられます。 

 一方、持分法適用会社からの連結子会社化が1件(オカモトによる理研コランダム買収、TOB前33.05%→TOB後50.15%)があり、全体として親子上場会社数は±0の動きになりました。

 その他、創業者一族内での持ち分比率変更のための譲渡(やがみビル→ヤガミ)が1件ありました。これは、実質的に特定株主間の相対取引を目的としつつ法規制を順守するため公開買付形式で取引を行うものであるため、他の株主が取引に参加することを防止するため負のプレミアムでの取引となっています。 

表1.親会社による上場子会社の完全子会社化

買付企業対象企業TOBプレミアム
東レ、三井物産曽田香料0.35%

(筆者作成)

 表2.持分法適用会社を上場を維持しつつ子会社化するためのTOB

買付企業対象企業TOBプレミアム
オカモト理研コランダム4.57%

(筆者作成)

 表3.実質的に特定株主間相対取引である形式的TOB

買付企業対象企業TOBプレミアム
やがみビルヤガミ-7.33%

(筆者作成)