事業承継について考える時、自らの右腕である役員に会社を継がせたいと願うオーナーは少なくない。部外者よりも会社の社風やオーナーの理念等を知り尽くしていると考えられるためだろう。MBOマネジメントバイアウト=経営陣による買収)の最新事情について解説する。

 インターネットや出版物でMBOについて調べると、取沙汰されているのは基本的には上場企業の話である。

 日本にMBOという概念が登場したのが1990年代の後半だとされる。2005年くらいまではグループや親会社からの独立型のMBOが多く、タワーレコードや弥生の例が挙げられる。ファンドと組んで非公開化を伴う動きが出て来るのはこれより後だ。2006年にはキューサイ、焼肉店「牛角」を運営するレックス・ホールディングス(現レインズインターナショナル)、東芝セラミックス等がMBOを行い、非公開化型のMBOは金額的にはこの年がピークとなる。件数ベースでは2011年をピークに、現在は金額・件数共に下火となっている。

牛角を運営するレックス・ホールディングスのMBO事件は裁判所が初めて具体的な株価を提示した判例として有名だ

 しかし最近ではかつら大手のアデランスが投資ファンドのインテグラルと組んでMBOで非公開化すると発表した。外食大手のすかいらーくのようにMBOした後にファンド傘下で再建を進め、再上場する事例も出ており、今後は再び増加に転じる可能性もある。

(下の図はMARRオンラインより引用)