武田薬品工業<4502>は、アイルランドの製薬会社シャイアー買収の申出に関して、2018年10月18日に日本の公正取引委員会から無条件の承認を得た。

公正取引委員会が武田薬品のシャイアー買収を承認 

2018年7月10日の米国連邦取引委員会からの承認、同年8月28日のブラジルの経済擁護行政委員会からの承認、同年9月14日の中国国家市場監督管理総局からの承認に次ぐ、4件目の承認となり、武田薬品によるシャイアー買収がまた一歩進んだことになる。 

一方、買収に反対している武田薬品のOB有志の株主を中心に約130人で組織する「武田薬品の将来を考える会」が2018年10月1日に、買収を決議する武田薬品の臨時株主総会に向けて公開質問状を提出しており、10月末までの回答を求めている。 

武田薬品は公開質問状にどのように答えるのか。また回答に対し「武田薬品の将来を考える会」をはじめ株主はどのような判断を下すのか。10月末は一つの節目となりそうだ。

 山場近づく日本企業過去最高額のM&A

「武田薬品の将来を考える会」が提出した公開質問状の質問事項は4つ。 1つ目は、本件買収に伴う借入金の返済計画はどうなっているか。また買収後の1株当たりの利益(EPS)をどう予想するか。 

2つ目は、収益の基幹である血液製剤の分野で今後苦戦が確実視されるシャイアー社の企業価値に65%もの高額なプレミアムを設定した根拠は何か。 

3つ目は本買収案件に関する取締役会議事録と取締役各位の発言内容を開示して頂けるか。 

4つ目は、武田薬品工業の持続的成長にとって、シャイアー社買収が唯一の手段でしょうかーといった内容。 

武田薬品によるシャイアー買収に関する今後のスケジュールは2018年10月-12月の間に武田薬品とシャイアーによるそれぞれの株主への通知書類の発送。 

その後武田薬品の株主総会と、英国の裁判所の指示に従って行うシャイアー株主の集会と同裁判所による認可などがある。 

武田薬品のクリストフ・ウェバー社長CEOは、「日本の公正取引委員会からシャイアー社買収の申出について無条件でクリアランスを取得したことを大変嬉しく思う」とのコメントを発表するとともに、買収が成立するためには「他の規制の承認や両社の株主による承認など種々の条件を満たす必要がる」としており、買収を実現するには、まだいくつかの解決しなければならない課題があることを認めている。 

6兆8000億円という日本企業過去最高額のM&Aは予定通り成立するのか。山場が近づいている。

文:M&A Online編集部