通常、M&A取引は将来予想に基づくEV/EBITDA倍率で価格を議論することが一般的ですが、セブン&アイは西武・そごうのEBITDAの事業計画を公表していないため、将来予想に基づくEV/EBITDA倍率で価格を議論することは今回は困難です。
また、直近実績ベースでも、上記の通り、減価償却費が開示されておらずEBITDAを計算できないこと、有利子負債残高が開示されておらず事業価値(EV)が計算できないことから、実績ベースでもやはり困難です...
「利益なき会社に価値はない」が正であれば、今回のペイディ買収を肯定することは極めて難しいでしょう。しかし「利益よりシェア」という考え方は、戦後急成長を遂げた日本のスタートアップ企業(当時の松下やソニー)が実践していたのです。
セブン&アイが米コンビニ業界3位のスピードウェイを2.2兆円で買収すると公表しました。「買収価格が高すぎる」と一度破談となった交渉が復活したわけですが、コロナ禍での巨額買収はセブン株主にとってプラス材料となるのでしょうか。
退職金や年金は、金額も多額になりがちですので、M&Aの買収価格に大きな影響を及ぼす可能性があります。そこで今回は退職金と年金が財務的にどのような影響を与えるのかを紹介したいと思います。
会社の売却価値評価で「買収価格=(時価)純資産+営業利益3年分」とM&A仲介会社のホームページに書かれたのを目にした方も多いのでは。ざっくりとした評価は、はたして理論的には間違いなのでしょうか。