「朝三暮四」は、目先の相違に気をとられ、結果が同じであることに気がつかないことを指す言葉です。中国宋代の狙公(そこう)が世話をしている猿にトチの実を「朝に3つ、夕方に4つやる」と言うと猿が怒り、逆に「朝に4つ、夕方に3つやる」と言うと猿が喜んだという故事にもとづくそうです。
どちらも同じ”7つ”には違いありませんが、ファイナンス論の観点からは「朝に4つ、夕方に3つやる」を選んだ猿にも一定の合理性があるということができます。今回は現在価値と将来価値の違いについてお話したいと思います...
若手起業家の方と資本政策や調達戦略の話をするとき、なぜか微妙に会話がかみ合わないことがあります。なぜなら「株式時価総額」=「一株当たり株価」×「発行済株式総数」という式で、株式時価総額(会社の価値)を捉えているから。
EV/EBITDA倍率について、しばしばM&Aの際目安とされているが「8倍~10倍」という倍率です。日本のような先進国では、事業の成長性が海外の新興国等に比して低くなるため、8倍程度が妥当と見做されることが多いと思われます。
会社を買収する際、対象会社の買収金額はどう決まるのだろうか?連載第3回は、非上場企業向けに使用する「類似取引法」と「取引事例法」について、実際に計算しながら理解を深めたい。