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簿価・時価純資産法|企業価値のアプローチと評価手法(10)

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前回は、インカムアプローチに属する配当還元法の考え方について解説した。今回は、ネットアセットアプローチの手法である「簿価純資産法」と「時価純資産法」について、見ていきたい。

ネットアセットアプローチとは?

ネットアセットアプローチは「コストアプローチ」とも呼ばれており、会社の純資産を基準に評価する方法である。主な手法に、「簿価純資産法」と「時価純資産法」がある。

ネットアセットアプローチは計算過程がわかりやすく簡易である一方、貸借対照表に計上されていない無形固定資産や知的財産等がある場合、のれんが適正に計上されていない場合等は、企業価値が実態が反映されないおそれがあるので注意が必要である。

簿価純資産法とは?

簿価純資産法(Book value per share method)は、会計上の純資産額に基づいて一株当たり純資産の額を計算する方法である。会計上の帳簿価額を基礎とした計算であるため、客観性に優れているが、各資産の時価が簿価と乖離していることが多く、その点で注意が必要となってくる。

時価純資産法とは?

時価純資産法(Net asset method)とは、貸借対照表の資産負債を時価で評価し直して純資産額を算出し、一株当たりの時価純資産の額を計算する方法である。

全ての資産負債を時価評価するのは実務的に困難なことから、土地や有価証券等の主要資産のみを時価評価することが多いため、「修正簿価純資産法」と呼ぶこともある。

なお、時価純資産法に属する評価法として、他に、個別資産の再調達時価を用いて評価する「再調達時価純資産法」や、個別資産の処分価格を用いて評価する「精算処分時価純資産法」などがある。

では早速、ネットアセットアプローチの簿価純資産法と時価純資産法の計算方法についてみていきたいと思う。

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