2017年は炭素繊維で3件の買収を実施

 2017年には炭素繊維に関して3件のM&A があった。1月に三菱レイヨンが米国の炭素繊維メーカーのSGL Carbon Fibersの買収を決めた。北米での炭素繊維事業を拡大するのが狙いで、今後の需要増大を見越し、買収企業の敷地内で生産設備の増強も行う。さらに三菱レイヨンでは国内外の生産増強に取り組んでおり、風力発電機や自動車など向けに拡販していく。

 また3月には北米での炭素繊維事業拡大のため、炭素繊維材料のコンポジット部品の設計・製造会社であるGemini Compositesを買収した。同社は自動車向けの炭素繊維材料を加工した複合材の開発を専門とする企業で、この買収で自動車部品の製品開発力が強化され、革新的な製品の開発が可能になる。

CPCが設置している世界最大規模の5000トン複合材料プレス設備

 10月には三菱ケミカルとしてイタリアの炭素繊維強化プラスチック製自動車部品メーカーであるCPCの株式44%を取得した。同社は自動車部品の設計や炭素繊維複合材料の成型技術などを持つ。この出資によって、CPCが持つこれら技術を活用し、炭素繊維複合材料の自動車部材への採用を加速させる。

三菱ケミカルHD 2018年に売上高3兆7000億円を見込む

 三菱ケミカルHDは2005年に三菱化学と三菱ウェルファーマ(現田辺三菱製薬)が両社の株式を移転する方式によって設立した。2007年に三菱樹脂を子会社化し、2010年には三菱レイヨンを子会社化した。さらに2014年に生命科学インスティテュートと大陽日酸が傘下に加わり、現在は三菱ケミカル、田辺三菱製薬、大陽日酸、生命科学インスティテュートの4社からなる。2018年3月期は売上高が前期比9.6%増の3兆7000億円、営業利益が28.4%増の3450億円の見込みだ。

三菱ケミカルの事業別製品

事業名製品
ケミカルズ 基礎石化製品、化成品、合成繊維原料、炭素製品、産業ガス
ヘルスケア 医薬品、診断製品、臨床検査、製剤材料
その他(セグメント外) エンジニアリング、運送及び倉庫業
エレクトロニクス・アプリケーションズ 記録材料、電子関連製品、情報機材
デザインド・マテリアルズ 食品機能材、電池材料、精密化学品、樹脂加工品、複合材、無機化学品、化学繊維
ポリマーズ 合成樹脂