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レンジエクステンダーEVは本当に「EV」か?

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基本構造はFCVと同じ

 実は「発電機を積み込む」のは目新しい発想ではない。1990年代から世界の大手自動車メーカーが開発を進めてきたFCV(燃料電池車)は、「電池」とは名ばかりで燃料の水素と大気中の酸素を反応させて水の電気分解とは逆のプロセスで電力を生む「化学発電機」を搭載する。つまりレンジエクステンダーEVは、燃料電池という化学発電機の代わりに「エンジン発電機を搭載したモーター駆動のクルマ」と呼ぶのが正しい。

Toyota FCV-R concept
Toyota FCV-R concept by mariordo59

 さて、問題はこのクルマをEVと呼べるかどうかだ。自動車メーカーは「電気モーターだけで走行しているのだからEV」と主張するが、工学的には「シリーズ(直列)方式のHV」となる。1990年代後半から普及が始まった一般的なHVは、複数の駆動方式を使う「パラレル(並列)方式のHV」だ。その派生形としてプリウスなどで採用された、ガソリンエンジンからの動力をプラネタリーギアで分割して車輪と発電機の両方を回す「スプリット(動力分割)方式のHV」が存在する。レンジエクステンダーEVがPHV(プラグインハイブリッドカー)に分類されることもあるが、PHVとは「大容量電池を搭載したHV」であり、必ずしも両者の概念が一致するわけではない。大容量電池を搭載しているレンジエクステンダーEVはPHVだが、大容量電池を搭載せず発電機からの電力だけで走行するのならばPHVに該当しない。

 レンジエクステンダーEVのメリットは、動力系の構造が簡単なこと。エンジンは発電機なので、モーター駆動に切り替えたり動力を駆動用に分割したりする必要はない。モーター駆動であればインバーターによる出力制御ができるため、トランスミッション(変速機)も不要だ。さらにエンジンを最も燃費の良い回転域のみで利用するため、ガソリン消費も抑えることができる。 

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