新日鉄住金、社名変更自体が大々的なニュースに

そうした中、社名変更が大々的なニュースとなったのが新日鉄住金だ。経営統合や合併ではなく、単に社名変更だけで新聞やテレビで大きく取り上げられること自体が異例で、産業界における同社の存在感を改めて示す格好となった。同社はこれまで経団連会長を3人、日本商工会議所会頭2人を輩出する名門中の名門。粗鋼生産量は4620万トンで、世界4位に位置する。

「日本製鉄」の社名は1950年に途絶え、来年69年ぶりによみがえる。「日本発祥の製鉄会社としてふさわしい、より包摂的な商号に変更する」(進藤孝生社長)。新日鉄住金は2012年10月、新日本製鉄と住友金属工業が合併して発足したが、社名から「住金」の表記が消えることは日本製鉄復活というニュースの影にすっかり隠れてしまった。

日本製鉄は1934年に官営八幡製鉄所(1901年操業)を中心に6社が合同し、国策会社として発足。政府が株式の大半を保有した。戦後の1950年にGHQ(連合国総司令部)から解体を命じられ、事業を継承したのが八幡製鉄と富士製鉄の2社。1970年にこの両社が合併して「新日本製鉄」となったが、社名が日本製鉄に戻ることはなかった。そうした幾多の歴史を経ての日本製鉄復活だけに、世間の注目度もがぜん高まった。

今後、社名変更を控える企業も少なくない。ガラス以外に事業が多角化している旭硝子は7月1日に「AGC」となる。創業100周年の2007年から使っているグローバルブランドのAGCに社名を統一する。「牛角」や「とり鉄」などを展開するアスラポート・ダイニングは、酒類・食料品販売のジャパン・フード&リカー・アライアンスと8月1日に経営統合するのに合わせ、「JFLAホールディングス」に社名を変更する。