【財務分析】がん、OAB治療剤の売り上げ拡大


 2016年3月期の連結売上高は1兆3,727億円(前年比0.1%増)となった。前立腺癌治療剤「イクスタンジ」、「ベシケア」と「ベタニス」「ミラべトリック」「ベットミガ」を合わせた過活動膀胱(OAB)治療剤の売り上げが拡大し、そのほか免疫抑制剤「プログラフ」等の売り上げが順調に伸びている。

 売上高増加と売上原価率の低下により、売上総利益は前年比13.5%増加した1兆371億円となった。売上原価率は前年比2.3ポイント低下した24.4%となった。販売費および一般管理費は「イクスタンジ」の共同販売費用の増加と為替の影響により5,004億円(前年比10.6%増)となった。研究開発費は、開発プロジェクト費用の増加、為替の影響により2,257億円(前年比9.2%増)となった。無形資産償却費は424億円(前年比9.6%増)だった。

 コア営業利益(営業利益から減損損失などの非経常的な項目を調整項目として除外したもの)は2,675億円(前年比23.5%増)となり、コア当期純利益は1,988億円(前年比29.7%増)、基本的1株当たり当期純利益は92.12円(前年比32.8%増)となった。

 販売市場は日本だけではなく、米州・欧州・中東・アフリカ・アジアなど世界規模で販売している。

 日本の売上高は、4,972億円となり、このうち日本市場での売り上げは4,830億円となった。「イクスタンジ」、「ベシケア」と「ベタニス」を合わせたOAB治療剤のほか、「プログラフ」、消炎鎮痛剤「セレコックス」、成人気管支喘息治療剤「シムビコート」、2型糖尿病治療剤「スーグラ」、高血圧症治療剤「ミカルディス」等の売上が伸びた一方、高コレステロール血症治療剤「リピトール」や、消火性潰瘍・胃炎治療剤「ガスター」等の売上は、後発医薬品の影響等により減少した。

 米州の売上高は4,551億円(前年比26.1%増)となり、現地通貨ベースでは3,788百万ドル(15.4%増)となった。「イクスタンジ」のほか、「ベシケア」と「ミラべトリック」を合わせたOSB治療剤の売上が増えた。そのほか、心機能検査補助剤「レキスキャン」等の売上、新製品のアゾール系抗真菌剤「クレセンバ」が増収に寄与した。

 欧州、中東、アフリカでの売上高は3,293億円(前年比5.1%増)、現地通貨ベースでは2,484ユーロ(前年比10.0%増)となった。「イクスタンジ」、「ベシケア」と「ベットミガ」を合わせたOAB治療剤のほか、「プログラフ」等の売上が伸びた。

 アジア・オセアニアの売上高は911億円(前年比22.8%増)となり、「プログラフ」「ハルナール」、「イクスタンジ」、「ベシケア」と「ベットミガ」を合わせたOAB治療剤が増収に寄与した。

 総じて、エリア別の売上では海外比率は日本国内以上の割合を占める。

 積極的なM&Aに伴い、のれんは右肩上がりに増加している。同社は国際会計基準(IFRS)を採用しているため、のれんを定期償却しないため、増加しやすくなっている。純資産に占めるのれんの比率は2016年3月末時点で12%。自己資本比率は70%と財務は健全である。