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【双葉電子工業】M&Aで次世代の「芽」を創造する老舗メーカー

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IoTビジネスのM&Aを加速

双葉電子工業の動きは早かった。中期経営計画発表から3カ月後の2017年8月に、カブクの株式の90%を13億5500万円で取得して子会社化すると発表。カブクは3Dプリントで製造した製品販売サイト「Rinkak」の運営で知られ、ICT を活用してモノづくり工程の合理化を実現する「第4次産業革命」銘柄のベンチャー企業。ソフトウエア開発力とユニークな企画力を武器に、IoT 時代の新たなモノづくりを実現するデジタル製造プラットフォームを展開している。

双葉電子工業は長年にわたってハードウエアによるモノづくりの合理化を推進してきたが、中期経営計画で「ハードにソフト要素を付加した新たな価値の創出を図っていく」方針を明らかにした。カブクの買収はその方針を実現するためにIoT、AI などのソフト開発力を短期間で獲得することを狙ったようだ。

2018年8月には駅の自動放送装置やスマートフォン、小売店の決済端末などを手がけるセントラル電子制御の全株式を取得し(取得金額は非公開)、完全子会社化している。自動車や鉄道、流通・決済、防犯・防災など幅広い分野で通信制御技術を核とした機器・システムの受託開発実績を持つ同社を取り込むことで、グループの事業領域拡大を狙っている。

セントラル電子制御の駅用自動放送装置

セントラル電子制御の駅用自動放送装置(同社ホームページより)

この両社に共通するのは、あらゆるモノがネットにつながるIoT分野を含むシステムソリューション事業だ。今後も双葉電子工業によるIoTシステム開発企業の買収は続きそう。

伝統的なモノづくり企業である双葉電子工業がIoTをターゲットにしたM&Aに力を入れ始めた背景には、わが国の製造業全体で起こっている大きな「地殻変動」がある。今後は全製造業でIoTベンチャーの争奪戦が繰り広げられる可能性も高い。そうなれば「早い者勝ち」になることは自明の理。この分野でのM&Aを検討している企業は1日も早く動き出す必要があるだろう。

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