【ブシロード】コロナ禍で裏目の「リアル」コンテンツシフト、どう立て直す?

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コロナ禍で「リアル」差別化路線に暗雲

ところが、リアルなライブやイベントへシフトしたブシロードに苦難がのしかかる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大だ。2020年4月に政府が緊急事態宣言を出し、特定の会場に観客が集まるイベントやライブは中止を余儀なくされた。

その結果、2021年6月期(決算月変更による変則決算)第1四半期(8~10月)の連結売上高は前年同期比8.0%増の89億7100万円となったが、営業利益は前年同期の12億300万円から8200万円の赤字に、経常利益は前年同期の12億2400万円から9300万円の赤字に、純利益は6億4200万円から1億5400万円の赤字に、それぞれ転落した。

こうした逆風を受けて、ブシロードはM&A戦略をイベントやライブなどの「リアル」からネットを活用する「バーチャル」へ再転換する。2020年9月に同社はコロプラ傘下でWebメディア事業を手がけるソーシャルインフォ(東京都渋谷区)の全株式を6183万円で取得して完全子会社化した。同社は2011年の設立で「ソーシャルゲームインフォ」「アニメレコーダー」を運営し、ゲーム業界で高い評価を得ている。

2021年4月1日にはスマートフォンゲーム「グリザイア クロノスリベリオン」の配信などで協業関係にあったアニメーション・ビデオグラム(映像ソフト)企画・販売のフロントウイングラボ(東京都千代田区)の株式50.625%を取得して子会社化する。フロントウイングラボは、画面に表示される文章に絵や映像、音、選択肢、画面効果などを加えたノベルゲーム「グリザイア」シリーズなど有力IPを持つ。

「グリザイア」のフロントウイングラボ買収でコロナ禍に対応(フロントウイングラボホームページより)

2021年3月16日にブシロードが発表した2021年6月期の1月中間期(2020年8月~2021年1月)連結決算では、売上高が前年同期比3.4%増の180億2600万円、営業利益が同92.9%減の1億5800万円、経常利益が同92.8%減の1億6200万円、純利益が前年同期の12億7800万円から1億9100万円の赤字転落に。

第1四半期の営業赤字、経常赤字からは脱したものの、前年同期比では増収ながらも大幅減益のままだ。最終赤字も中間決算では解消されなかった。3月21日には最後まで残った1都3県のコロナ禍を受けての緊急事態宣言が解除されるが、感染リバウンドの前兆もあり予断は許さない。

ウィズコロナ・アフターコロナ時代を見据え、M&Aで「リアル」と「バーチャル」のバランスをどう取るか。ブシロードの腕の見せどころだろう。

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