M&Aの連鎖を狙う

-他の分野の事業再編についてはいかがですか。

「現在エア・ウォーターでは関係会社が約250社あります。これら企業についても効果がありそうであれば、統合を進める考えはあります。ただ昔から、ねずみの集団経営という経営方針を持っており、無理矢理くっつけようという考えはありません。ねずみの集団経営の考え方は、それぞれの会社が事業環境が変わっても俊敏に対応して成長していこうということですので、統合して一緒になった方がいいとは考えていません。大きくなればなるだけ機動性が悪くなります。その意味では小さい会社の方が柔軟に動けると考えています」

―2021年3月期に売上高で1兆円を目指すという中期経営計画に取り組んでいます。進捗状況はいかがですか。

「今期の売上目標は8200億円。このため残り2年で1800億円を積まないといけません。既存事業をさらに伸ばすこと、シナジーを出して膨らませること、そしてM&A。この3つの柱で実現を目指しています。

-M&Aは確かに実現すれば売り上げが増えますが、御社では単に売り上げを足すだけの足し算ではなく、掛け算にするといわれています。掛け算とはどのようなことなのですか。

「掛け算とはまさにシナジーのことで、別々の会社として存在しているよりも同じグループに入ったことで情報の共有や、営業の効率化、互恵取引、原料の共同購買などいろいろあり、こうした取り組みで売り上げを伸ばしていこうという考えです」

笑顔で撮影に応じる北川さん(右)

-なるほど。分かりました。最後に今後のM&Aの方針についてお聞かせ下さい。

「今まで通りという感じです。全天候型経営ということで、全事業がコア事業であると考えており、ノンコア事業はないと考えています。すべての事業がそれぞれ成長していくという経営をやっています。このためそれぞれの事業がそれぞれのM&Aを考えていきます。これを全分野でやっていきます」

「M&Aをする場合にエア・ウォーター本体がM&Aをする場合と、子会社がM&Aをして孫会社にする場合があります。M&Aをした会社に事業の成長のために何が必要かという話しをいつもしています。その中でM&Aという話しも出てきます。同業のあそこを買えばもっと大きくなれるというケースがあります。こうしたM&Aの連鎖を狙っています」

-本日はありがとうございました。大変勉強になりました。

文:M&A Online編集部