海外企業への投資も

-海外企業のM&Aも見られますね。

「弊社の祖業は産業ガス事業です。産業ガスは製造方法がすでに確立されており、物性で差をつけるといっても純度しかなく、製品としての差別化は難しい状況です。弊社は小型で高効率な液化ガスを製造するプラントを独自に国内で展開し、地域のガス需要に応える形で国内中心にビジネスを展開してきました。ところが国内だけでは大きな事業成長が見込めないということから、数年前から海外でも事業展開を始め、最近ようやく海外の案件が出てきたところです」

-ガスの市場は安定しているように思えるのですが、いかがですか。

「ガスはあらゆる産業の副資材として使われます。このためそんなに大きく需要が変わる事はありません。鉄鋼の生産量が増えるだとか、紙の生産量が増えるといった顧客の状況に応じてガスの消費量が増えることはありますが、基本は安定しています。新しい使い方や新しい産業などが誕生しないと急に増えることはありません」

-そういえば受験の時に酸素を吸うと記憶力や集中力の増強に役立つと聞き、買おうかなと思ったことがありました。

「酸素はスポーツなどでも使われ、そうした新しい使い方がいろいろと出てくれば、ガスの需要も増えることになるでしょう」

「受験の時に酸素を買おうかと考えた」と明かす山口さん

―ところで、今年2018年4月に医療関連子会社を再編されましたが、狙いを教えて下さい。

「2000年以降でM&Aの件数が一番多いのが医療分野です。会社が増えていく中で、同じような領域の事業が増えてきたことから、こういうのは統合した方が良いのではないかという考えが出てきました。ほかにも販売会社と生産会社が別々にあり、こうした企業は統合した方が良いのではないかという声もあり、今回の子会社の再編となりました」

-別々の会社がくっつくとなると大変そうですが。

「当然文化の違いがあり、実務でいうと給与体系が違ったり、同じような部署があると、人員が重複するということがあります。ただこれら企業はエア・ウォーターグループに入って数年経っている会社ばかりですので、お互いの会社のことを理解しており、知らない会社同士がくっつくというわけではありません。意思疎通や情報共有はできています」