外食の「ゼットン」を子会社化する衣料の「アダストリア」融合することで生まれるモノとは

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グローバルワークの店舗(東京都文京区)

「グローバルワーク」などのカジュアル衣料を手がけるアダストリア<2685>は、「アロハテーブル」などのレストランを運営するゼットン<3057>第三者割当増資TOB株式公開買い付け)で、2022年2月に子会社化する。

互いのノウハウやネットワークを活用し、商品やブランド、事業を積極展開するほか、ファッションビジネスと飲食ブランドを融合させることで新しい事業を開発するのが狙いという。

アパレルとレストランが一体になることで生み出されるモノとは何のか。

公園開発や公共施設の再生を推進

アダストリアは「グローバルワーク」のほかに「ローリーズファーム」「レプシィム」「ジーナシス」「レイジブルー」「ニコアンド」「スタディオクリップ」「ベイフロー」などの多くのブランドを展開しており、2021 年8月末時点でのグループの店舗数は、国内が1378店舗、海外が65店舗の合計1443店舗。

アパレルの枠を超えて生活のあらゆる場面で多様なライフスタイルを提案するためには、飲食事業が重要であると判断、同分野で他社との提携やM&Aによる成長の可能性を模索していた。

一方のゼットンは、アロハテーブル事業のほかに夏季を中心とした期間限定のビアガーデンやバーベキュー場の運営、歴史ある建物を利用したブライダル事業などを手がけており、2021年9月末時点の店舗数は、国内65店舗、海外9店舗の合計74店舗。

今後はPARK-PFI 制度(公園内に飲食店や売店などを出店し、それら店舗から生じる収益で公園の整備などを行う事業者を公募する制度)を活用して、飲食店の出店やバーベキュー施設の運営、老朽化した公共施設をレストラン運営やブライダル事業などで、再生させる取り組みを強化する計画だ。

ただ、これら事業は、飲食業で培ってきたノウハウが活かせるものの、単独では困難が多いため、他業種との連携などを模索していた。

こうした両社の思惑が一致しM&Aが実現したもので、今後は両社が協力して、新規事業として公園開発や公共施設の再生などに取り組むことなる。飲食とアパレルが一体となって作り出す公園とは、どのようなものになるのか。両社のファンはもとより、自治体や同業者らの関心を集めそうだ。

2022年2月期は黒字転換

アダストリアの2022年2月期は、前年度に赤字(6億9300万円)に転落した当期損益が黒字(38億円)に転換する見通し。大株主には約7%を保有する、ファッション通販サイト最大手ZOZOの創業者である前澤友作氏が名を連ねている。

ゼットンは、居酒屋など外食大手のDDホールディングス<3073>が約37%の株式を持ち、同社の持ち分法適用関連会社となっている。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2021年2月期は営業損益が16億9200万円の赤字に陥ており、2022年2月期は、新型コロナウイルスの影響を見極めることが困難なため未定としている。

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文:M&A Online編集部

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