「未上場株」の売買が容易に IPO、M&Aに次ぐ資金回収手段に

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写真はイメージです

クラウドファンディング事業を手がける日本クラウドキャピタル(東京都品川区)は12月8日、未上場株式の売買が可能なサービス「ファンディーノマーケット」を立ち上げた。

取り引きできるのは、ファクトリーオートメーションや福祉などの分野でロボットの活用に取り組んでいるダブル技研(神奈川県座間市)など4社の株式で、今後、月に2、3社のペースで取引可能企業を増やすほか、2022年中には卓球やバレーボール、バスケットボールなどのクラブチームの株式取引も始める。

未上場株式を売買できるサービスは、国内ではこれが初めてで、売却できる仕組みが整ったことで、今後未上場株に対する関心が高まりそうだ。

2022年に対象企業を拡大

ファンディーノマーケットは、未上場株式の流通取引や資金調達を目的に、日本証券業協会が2015年から提供している「株主コミュニティ」を活用したサービスで、審査に通過した企業が株主コミュニティを組成でき、投資家も審査を通過した人だけが参加できる。

未上場株を購入したい投資家は、インターネットを介して価格と株数を入力して申し込み、売りたい投資家との間で条件が合致すれば売買が成立する。

これまで未上場企業の株主は、IPO(新規株式公開)や、M&Aなどによって、初めて投資資金が回収できたが、未上場株式を売買できる仕組みができたことで、資金回収の新たな手段が誕生したことになる。

ダブル技研以外の取引可能企業は、漢方薬や健康食品の通信販売を行っているハーバルアイ(福岡市)、画像の高解像度化や復元化などを手がけるロジック・アンド・デザイン(東京都新宿区)、地域電子通貨の流通などに取り組むeumo(東京都港区)の3社。

新たに株主コミュニティを組成できるのは、当面は日本クラウドキャピタルが運営するクラウドファンディング・ファンディーノで資金調達したベンチャーが対象となるが、2022年中にはファンディーノを利用していない中小企業やクラブチームなどにも対象を広げる。

日本クラウドキャピタルの柴原祐喜CEO

当日会見した日本クラウドキャピタルの柴原祐喜CEOは「投資家に換金する場としては、これまでもIPOやM&Aという手段があったが、これにファンディーノマーケットを加えることで、一段と未上場株の流動化を促進していきたい」としている。

文:M&A Online編集部

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