ダイビルを上場廃止とする「商船三井」、過去2度の大型合併を経験

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商船三井の本社(東京・虎ノ門)

海運大手の商船三井は、不動産事業を手がけるダイビルなど上場子会社2社を非公開化する。TOB(株式公開買い付け)で株式を追加取得し、完全子会社化するもので、総額1300億円余りを投じる。今回は親子上場の解消を狙いの一つとするが、商船三井は過去、合併に次ぐ合併を重ねてきた過去を持つ。

ひと頃は4社の寄り合い所帯

商船三井はひと頃、4社の寄り合い所帯だった。現在の商船三井は1999年に大阪商船三井船舶とナビックスラインが合併して発足した。実はもとをただせば、両社とも合併会社。前者は三井船舶と大阪商船が1964年に、後者は山下新日本汽船とジャパンラインが1989年にそれぞれ合併して生まれた。

現在、海運業界は日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社に集約されている。それ以前は6社体制が長らく続き、再々編を経て今日にいたる。

かつての6社の顔ぶれは日本郵船、大阪商船三井船舶、川崎汽船、山下新日本汽船、ジャパンライン、昭和海運。1964年に政府主導による海運集約化政策の結果だ。

当時は戦後の高度経済成長期の真っただ中。海運各社の過当競争排除、企業規模の大型化、国際競争力の向上などを柱とし、外航船腹100万トン以上の6社に再編された。

再度の合併で商船三井が誕生

三井船舶と大阪商船が合併して業界2位の大阪商船三井船舶が誕生。業界トップの日本郵船は三菱海運を、3位の川崎汽船は飯野汽船を吸収した。一方、山下汽船と新日本汽船は山下新日本汽船を、日東商船と大同海運はジャパンラインを合併で発足させた。残る昭和海運は1998年に日本郵船に吸収された。

その後、再度の合併に突き進んだのが大阪商船三井船舶で、現在の商船三井を誕生させた。

今回、商船三井が完全子会社化するダイビルは元々、大阪商船系列の不動産会社で、大阪や東京にオフィスビルやマンションを展開する。現在約52%の株式を持つが、TOBで全株取得を目指す。買付代金は最大約1213億円。海運事業は市況変動に影響されやすく、不動産事業を取り込み、経営の安定化につなげる。

併せて、港湾物流などを手がける子会社の宇徳についても、同じく完全子会社化を目的にTOBを開始した。こちらは約104億円を投じる。

文:M&A Online編集部

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