半導体不足でも増産!米テスラがとった驚愕の「AD調達」とは?

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柔軟な調達戦略で増産を続けるテスラのイーロン・マスクCEO(Photo By Reuters)

「アシスタントディレクター(AD)は、絶対に『手に入りませんでした』とは言わない」。テレビ業界で「都市伝説」のように語られる逸話だが、まさにそのADさながらの調達で同業者を驚かせている自動車メーカーがある。米電気自動車(EV)大手のテスラだ。

減産に苦しむ大手を尻目に、前年同期比1.7倍の増産

自動車業界は半導体不足による減産を余儀なくされている。日本車メーカーでもトヨタ自動車は11月4日の決算発表で、世界販売台数を26万台引き下げて1029万台になるとの見通しを発表した。三菱自動車も同日の会見で半導体不足に伴う2022年3月期の減産幅を、従来の4万台から9万5000台前後にまで拡大するとの見通しを明らかにした。

世界最強の調達力を持つトヨタでさえ、半導体不足で減産を余儀なくされている(同社ホームページより)

それにもかかわらず、テスラは2021年第3四半期(7−9月)で前年同期の約1.7倍となる過去最高の約24万台の販売を記録した。テスラにも半導体不足の大波が押し寄せたが、入手しやすい半導体に切り替えて生産増を実現したのだ。ならば、なぜトヨタはじめ巨大自動車メーカーが同じ選択をしなかったのか?

実は従来とは別の半導体に切り替えても、そのままでは作動しないのだ。自動車の制御に利用される半導体は、完全なオーダーメード。別の半導体を正常に機能させるためには、デバイスを動かすために内蔵されている制御のためのファームウエア(パソコンやスマートフォンのOSに当たる)開発が必要になる。

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米電気自動車(EV)大手テスラの時価総額が米国時間2021年10月25日に1兆ドル(約115兆円)を突破した。自動車メーカーで1兆ドルを超えているのはテスラだけだ。昨年1月にはトヨタの半分以下だったテスラだが、半年後にはトヨタを追い抜いた。