【スポーツクラブ】コナミ・セントラル・ルネサンスが営業黒字に復帰も、「会員数」は戻らず

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コナミスポーツの都内店舗

スポーツクラブ大手の業績が復調に向かっている。2021年4~9月期(上期)決算によると、売上高は前年同期比30~40%の大幅増が目立ち、本業のもうけを示す営業損益もコナミスポーツ、セントラルスポーツ、ルネサンスの上位3社がそろって黒字転換した。

ただ、コロナ禍との戦いが長期化する中、業績は大底は脱したとはいえ、肝心の会員数の戻りが鈍いことなどから、本格的な回復軌道に乗せられるのかどうか、予断を許さない状況だ。

ルネサンス、営業黒字をぎりぎり確保

コナミホールディングス(HD)傘下のスポーツ事業(コナミスポーツ)の4~9月期の部門業績は売上高が32%増の199億円、営業損益も73億円の赤字だった前年同期から8億円の黒字に大幅改善。休業要請の解除や不採算店舗の撤退(5月末に16店舗)などによるコスト構造の見直しを進めたことが赤字脱却につながった。

セントラルスポーツも売上高を3割近く伸ばしたが、コナミスポーツにあと一歩及ばなかった。直営店舗はセントラルが178店舗でコナミを25店舗上回っているが、業務受託はコナミが227施設に対し、セントラルは62施設にとどまる。ルネサンスは4割強の増収を達成し、営業損益も辛うじて黒字圏(5100万円)を確保した。

上位3社とは対照的に、ティップネス(日本テレビホールディングス傘下)は16億円の営業赤字が継続した。赤字幅は半減したが、業績立て直しの遅れが明らかだ。一方、東海地区を地盤とするホリデイスポーツ(東祥のスポーツクラブ部門)も15%の増収と他社に比べて見劣りする。

業績回復を左右する会員動向

4~9月期を振り返ると、4月に3度目の緊急事態宣言が発令され、スポーツクラブ各社は4月末から5月末にかけて東京都、大阪府、京都府、兵庫県での営業を休止。6月以降から通常営業に戻ったものの、7月にはさらに4度目の緊急事態宣言が発令(21都道府県に拡大)された。

度重なる緊急事態宣言発令で、感染症拡大への不安から入会者の減少や会員の退会・休会、利用自粛などが続き、在籍会員数の回復に遅れが出ているのが実情。

例えば、9月末の会員数(スクール会員も含む)はセントラルが34万4000人、ルネサンスが32万4200人だが、いずれもコロナ前の2019年9月末を約10万人下回る水準で、会員離れが顕著だ。

売上高をコロナ前の2019年4~9月期と比べると、コナミ63%、セントラル71%、ルネサンス76%、ティップネス58%、メガロス(野村不動産ホールディングス傘下)75%、ホリデイスポーツ58%にとどまる。

言うまでもなく、売上高の源泉は会費。幅広い世代へのワクチン接種の広がりで、スポーツクラブには利用者が確実に戻りつつが、本格的な業績回復に向けては新規入会、既存会員の継続促進、退会者の早期復帰など会員動向がカギを握っている。

◎スポーツクラブ大手の2021年4~9月期業績(営業利益のカッコ内は前年同期実績、△は赤字)

売上高 営業利益 直営店舗
コナミスポーツ 199億円(32%増) 8億円(△73億円) 153
セントラルスポーツ 194億円(28%増) 8.6億円(△2.8億円) 178
ルネサンス 176億円(41%増) 0.51億円(△29億円) 102
ティップネス 109億円(31%増) △16億円(△37億円) 168
メガロス 64億円(39%増) 44
ホリデイスポーツ 59億円(15%増) 101

※コナミスポーツはコナミHD、メガロスは野村不動産HD、ホリデイスポーツは東祥の部門業績。ティップネスの店舗数には24時間ジム「FASTGYM」110店舗を含む。

M&A Online編集部

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