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一風堂が方針を急転換、低投資・早期回収のロードサイド型を強化
一風堂が新常態に向けてビジネスモデルを大きく転換しました。これまでは繁華街やショッピングモールを中心に出店してきましたが、矢継ぎ早にロードサイドと小商圏型の店舗を出店。低投資で早期回収が見込める郊外型へとスイッチしました。ラーメン店の中でも一風堂は苦戦をしています。
博多ラーメン「一風堂」を展開する力の源ホールディングス<3561>が、復活の兆しを見せている。同社は2021年11月15日に2022年3月期第2四半期の業績を修正し、それまでの赤字見通しから黒字に転換すると発表した。
間接コストの圧縮や、緊急事態宣言に伴う営業時間短縮要請の協力金を計上したことなどが黒字化の要因で、前年同期の実績と比べると、一層大きな業績改善となる。
2022年3月期通期については、新型コロナウイルス感染症の影響が見通せないことから予想を据え置いたものの、テイクアウトやデリバリーの強化、低投資型店舗の出店などの効果が出始めており、上振れする可能性は高そうだ。
力の源ホールディングスが業績修正と同時に発表した2022年3月期第2四半期は、売上高87億6000万円(前年同期比23.9%増)、営業利益2億6200万円(前年同期は9億1000万円の赤字)、経常利益2億4900万円(同9億4600万円の赤字)、当期利益1億200万円(同19億2200万円の赤字)となった。
営業時間の短縮や酒類販売の休止などにより、既存店の売上高は今一つだったものの、テイクアウトやデリバリ-を強化したほか、太つけ麺などの期間限定商品を投入したことに加え、一風堂横浜泉店などの新たな収益モデルを目指した低投資店4店が好調に推移したことなどから20%を越える増収となった。
低投資店の好調は、利益面でもプラス効果となって表れており、ブロック制の導入などによる効率化も加わり、営業、経常段階での黒字化を達成。さらに新型コロナウイルス感染症に関連した自治体からの協力金など3億8600万円を特別利益として計上したため当期利益は大幅に改善した。
同社は国内153店舗、海外130店舗を出店しており、海外比率が高い。その海外でも国内と同様に売上高、利益ともに改善しており、今第2四半期の業績を支えた。
国内店舗が売上高47億7100万円(前年同期比29.8%増)、セグメント利益2億4500万円(前年同期は5億1400万円の赤字)だったのに対し、海外店舗は売上高30億2100万円(同20.2%増)、セグメント利益1億200万円(同3億1000万円の赤字)と健闘した。
2022年3月期は、売上高201億3000万円(前年度比21.7%増)、営業利益5億4800万円(前年度は9億8000万円の赤字)、経常利益5億900万円(同10億100万円の赤字)当期利益2億4800万円(同23億9200万円の赤字)の予想で、通期でも黒字に転換できる見込みだ。
博多ラーメンの力で、この数字をどこまで押し上げることができるだろうか。
【力の源ホールディングスの業績推移】単位:億円、2022年3月期は予想
2021年3月期 | 2022年3月期第2四半期 | 2022年3月期 | |
売上高 | 165.39 | 87.6 | 201.3 |
営業損益 | △9.8 | 2.62 | 5.48 |
経常損益 | △10.1 | 2.49 | 5.09 |
当期損益 | △23.92 | 1.02 | 2.48 |
文:M&A Online編集部
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一風堂が新常態に向けてビジネスモデルを大きく転換しました。これまでは繁華街やショッピングモールを中心に出店してきましたが、矢継ぎ早にロードサイドと小商圏型の店舗を出店。低投資で早期回収が見込める郊外型へとスイッチしました。ラーメン店の中でも一風堂は苦戦をしています。