M&Aは売却3件、買収4件で売り買いが拮抗

2016年に入ると6月に、米国の総合林産企業グループであるウェアーハウザー社から牛乳などの液体用の紙容器原紙事業を買収することを決めた。これによって日本製紙は米国に液体用紙容器原紙の製造・販売拠点ができるため、米国での事業拡大に力を入れることになった。

同じ6月には食品用途向けのクラフト重袋を手がける共栄製袋の株式60.2%を取得し、子会社化することを決めた。クラフト紙を加工する重包装紙袋の需要は減少しているが、食品用途向けの需要は堅調なため子会社化により高品質で、高いコスト競争力が発揮できると判断した。

2017年3月には米国のMcKinley社に、連結子会社である日本製紙USAの事業資産を売却することを決めた。1988年に電話帳用紙を中心とする中質紙製品の製造、販売を行う日本製紙USAを買収したが、需要の減少から厳しい事業環境が続いていたため、売却を決断した。

2017年4月には建築工事請負業を営む完全子会社の国木ハウスの全株式を、宅配水事業や住宅事業を手がけるナックに売却することを決めた。国木ハウスは人口減少などの影響を受け、業績が悪化傾向にあったため、国木ハウスの成長のためには住宅関連事業に力を入れているナックに売却することが最適と判断した。

2013年の日本製紙誕生以降の主なM&Aは7件あり、そのうち売却が3件、買収が4件となっており、売り買いが拮抗している。シナジー効果が期待できない企業や業績の振るわない企業は今後も売却に対象になるだろう。一方で、成長分野での企業買収は一段と活発化する見込みだ。

どのようなM&A戦略が進んでいくのか。2013年の日本製紙誕生までに大きな合併や統合を経験し、その後も活発にM&Aを手がける同社だけに、今後あっと驚く展開もありそうだ。

2013年以降の日本製紙の主なM&A 

2013年12月 十條サーマルを完全子会社化
2015年4月 完全子会社の四国コカ・コーラボトリングをコカ・コーラウエストに売却
2015年10月 特種東海製紙と共同で設立する新製造会社に33.4%以上50%未満を出資
2016年6月 米国ウェアーハウザー社の液体用紙容器原紙事業を買収
2016年6月 共栄製袋の60.2%の株式を取得し、子会社化
2017年3月 連結子会社の日本製紙USAの事業資産を米国のMckinley社に売却
2017年4月 完全子会社の国木ハウスをナックに売却

文:M&A Online編集部