3年で利益は2.67倍に

日本製紙は2018年4月から2021年3月までの3年間の経営計画「第6次中期経営計画」を策定し、最終年度の2021年3月期に売上高1兆1150億円、営業利益470億円(図2)に向けて事業を展開中だ。

2018年3月期の売上高が1兆465億円、営業利益が176億円だったため、売上高では685億円の増収、営業利益では294億円の増益となる。率にすると増収率は6.5%にとどまるが、増益率は2.67倍と大幅な伸びとなる。

紙化については独立した事業として計上されていないため、正確な数字はつかめないが、紙化の中心となるパッケージに、ヘルスケアとケミカルを加えた生活関連事業は、第6次中期経営計画期間中の3年間で422億円の増収を見込んでいる。

これは全社増収額685億円の61.6%を占めるもので、同社成長の大きな原動力となっていることが分かる。ちなみに同社の主力事業である紙・板紙事業は、第6次中期経営計画期間中に114億円減少し7300億円となり、生活関連事業との差が縮まる。

紙・板紙事業の営業利益は2018年3月期、2019年3月期ともに赤字で、最終年度の2021年3月期は140億円の黒字を見込む。それでも生活関連事業の営業利益180億円には及ばず、利益面では生活関連事業が大黒柱となる。この面からも紙化の貢献度の高さがうかがわれる。

第6次中期経営計画ではM&Aを含む設備投資額として2300億円を計画している。このうち生活関連事業とエネルギー事業の2事業を成長分野と位置づけ、この分野に1070億円を投資する。さらにこのうち250億円を戦略投資枠としている。M&Aにはこの戦略投資枠が使われるものと見られる。

すでに戦略枠としては現在開発中でアルミ蒸着フィルムと同等レベルのバリア性を持つシールドプラスプレミアの量産投資が予定されており、M&Aの資金はこうした投資分を除いた額となる。この規模であれば、あまり大型のM&Aは見込めそうにないというのが実情だ。

では、これまでのM&Aはどのような状況だったのだろうか。過去に数多くのM&Aを繰り返しており、M&Aに対する抵抗感はなさそうだが、同社の生い立ちを見ると…。

(図2)部門別の売上高と営業利益 同社ホームページより