取引金額100億円以上のM&A11件中、6件を占めたのがMBO(経営陣による買収)を含むTOB関連。
巻き上げ機メーカー大手のキトーは米国の同業大手クロスビーと経営統合することで合意した。クロスビーの親会社である米投資ファンドKKRがキトーにTOBを行い、非公開化したうえで統合新会社「キトー・クロスビー」を発足させる。TOBは10月末にも始める予定で、買付代金は約564億円。
キトーの海外売上高比率は約75%...
2022年4月のM&A(適時開示ベース)件数は前年同月比13件減の70件で、3カ月連続で前年同月比マイナスとなった。1~4月累計は307件と前年同期を21件下回る。ロシアのウクライナ侵攻や急激な円安で経済環境が大きく変化する中、ここへきてペースダウンが否めない。
鳴り物入りの大型M&Aがご破算となるケースが相次いでいる。ソフトバンクグループが英半導体設計子会社アームの4.2兆円売却を断念したのに続き、国内ではフィデアホールディングスと東北銀行の経営統合が白紙に戻った。
2021年11月のM&A件数は前年同月を4件下回る77件だった。前年同月比マイナスは3カ月ぶりだが、11月として過去10年で2019年(86件)、20年(81件)に続く高水準を維持。クボタはインドのトラクター大手を1406億円で買収する。
2021年上期(1~6月)のM&A件数を業種別にみると、サービス業が6年連続で増加するとともに、製造業や情報通信業を抑え、2年連続で件数トップに立った。前年に後退が顕著だった製造業は持ち直し傾向にある。