コマニーは10日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。創業家の資産管理会社であるコマツコーサン(石川県小松市)がTOB(株式公開買い付け)を実施する。買付代金は最大172億円。コマニーはTOBに賛同している。主力事業である間仕切り(パーティション)をめぐってはオフィス家具、シャッターメーカーなど異業種の参入で競争が激化している。こうした中、事業構造の改革や成長戦略を推し進めるには短期的な業績や株価動向にとらわれない体制が望ましいと判断した。
買付価格は1株につき2100円。TOB公表前日の終値1185円に77.22%のプレミアムを加えた。買付予定数はコマツコーサンの所有割合10.11%を差し引いた821万3237株。買付予定数の下限は所有割合56.56%にあたる516万7700株に設定した。買付期間は5月11日~6月21日。決済の開始日は6月28日。公開買付代理人は野村証券。
コマニーは1961年に小松キャビネットとして設立し、事務用キャビネット製造や金庫室内装工事に乗り出した。1965年に間仕切り専業メーカーとなり、オフィス、工場、医療・福祉、学校向けに製品を展開し、業界トップクラスに成長した。
コマツパーティション工業を経て、1984年に現社名のコマニーに変更。1989年に名証2部、2015年に東証2部に上場。2022年4月に東証スタンダード市場に移行。