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【M&Aと税務】平成29年度税制改正が与える不動産M&Aへの影響とは

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不動産M&Aにおける株式譲渡益課税

オーナーが不動産M&Aで株式を売却する場合は、株式の取得費とM&Aにより受け取る収入との差額がプラスであるときに、そのオーナー個人に対して譲渡益課税(税率約20%)がなされます。

ただし、仮に売却したい不動産と同額の借入金を残してそれ以外の資産・負債を分割承継法人に移転するという分割をする場合には、売却する会社の貸借対照表の純資産がゼロというケースもあり得ます。この場合、会社の買主は借入の返済義務がある会社を買うことになるので、株式評価額はゼロとされ、譲渡対価もゼロとされる可能性があります。

このように、どのような資産・負債を手元に残し、どのような資産・負債を分割して、売却するかは、すべて納税者の選択にゆだねられています。その選択により、株式の取得費と譲渡収入も変動します。本改正によって、納税者の選択の幅が広がりましたので、今後は、資産・負債をどのように分けたらどこで誰にどのような課税があるのか、専門家の意見を聞きながら、緻密な検討を行う必要があるでしょう。

不動産M&Aの今後の対応

本改正は、今年の10月1日以後の組織再編から適用開始となります。これから不動産M&Aで不動産を会社ごと売却したいと考えるオーナーは、上記の改正による影響を踏まえたうえで、どのようなストラクチャーにより不動産M&Aを行うのか、慎重に検討する必要があります。

たとえば、残したい資産に含み損がある場合、税制上非適格とされるストラクチャーを用いることで、税負担が軽くなるケースも想定されます。売りたいもの/残したいものを時価で切り離すのか、売りたいもの/残したいものを簿価で切り離すのか。様々な組み合わせが考えられますので、不動産M&Aを検討しているオーナーはプランニングの際に、本稿でご紹介した論点を念頭に置いていただき、今後の対応や方針を決定されることをおすすめします。

文:Naoko Yamamoto(税理士・中小企業診断士)/編集:M&A Online編集部

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