M&Aのタックスプランニング

M&Aでは、手法や手続きひとつで負担する税金も異なってきます。譲渡額 (売却額) が高くても、手取りが少なくなるM&Aは、売り手にとって魅力的なM&Aとはいえないでしょう。

特に税金はキャッシュ・フローに大きな影響を与えますので、正当な範囲で税金そのものの発生を抑える節税方法や税金の支払時期を遅らせる方法などをよく考えること (タックスプランニング) が必要です。

M&Aに関わる税金としては、所得税、法人税だけではなく、相続・贈与税、消費税、不動産取得税、登録免許税などから、場合によっては、連結納税、国際課税等が関係するケースもあり、専門的な知識が必要となります。なかでも注意が必要なのが、「所得税」と「法人税」です。

M&Aの手法によって誰が税金を納めるのかが異なります。売り手にとっては手取りの増加、買い手にとっては節税メリットとなりますので、タックスプランニングについては、M&Aアドバイザーや税理士など専門家のアドバイスを受けるとよいでしょう。

M&Aの税金は優遇されている

株式を譲渡したときの課税(譲渡所得課税)は一律20%(所得税15%※、住民税5%)であるのに対し、給与所得は累進課税(所得税5%~45%)です。※平成25年~平成49年は復興特別所得税(基準となる所得税額の2.1%)が別途課されます。

株式譲渡金額がある程度大きい場合は株式譲渡による税金は給与所得に課される税金に比べ少なくなります。

例えば、10年間、毎年5,000万円の給与を得た場合、10年間で課される税金は24,704万円となり、手取り額は2億5,296万円となります。
 所得税:(5,000万円×45%-279.6万円)×10年=19,704万円
 住民税:5,000万円×10%×10年=5,000万円

これに対し、1000万円出資して設立した会社を5億円で売却した場合、税金は9,800万円となり、手取り額は4億200万円となります。
 (5億円-1,000万円)×20%=9,800万円

つまり、株式譲渡によると、手取り額が1.5億円ほど増加します。 
※所得税、住民税は所得控除を考慮していません。
※住民税は東京都の税率で計算しています。また、均等割りは考慮していません。