【法人税】組織再編税制のおはなし(1)継続保有見込要件とは?

今日は、法人税の組織再編税制の話です。

組織再編税制は、合併 (会社と会社がくっつく)、会社分割 (会社の一部事業部門を分離する)、株式交換 (A社がB社を完全子会社とし、B社株主にA社株式を交付する)、株式移転 (甲社と乙社が存在する場合に、親会社である丙社を新設し甲社と乙社を完全子会社とする。甲社と乙社の株主に新設丙社の株式を交付する)などが規定されています。

平成11年に当時の商法によって株式交換株式移転が導入されるとともに株式交換株式移転に関する税制も定められました。

その後、平成13年に後追いのかたちで、組織再編税制が制度化されました。(それ以前の組織再編税制は実務上、かなり曖昧な取り扱いでした。)

さらに平成18年に組織再編税制の大幅な見直しが行われ、株式交換株式移転についても、単なる課税の繰延から組織再編税制への組み込みが行われました。

実務上、この平成18年の税制改正はかなりインパクトがあり、それまでの「上場企業が行う株式交換による企業買収」がパタリと無くなってしまいました。(個人的には、株式交換株式移転については過去の税制が復活すれば、企業の組織再編も活発になると思うのですが。特に事業後継者が不在の中小企業も救えるチャンスが広がるはずです。)

組織再編税制の適格要件

まず、組織再編税制の判定は、完全支配関係50%超支配関係共同事業関係の3つに大別されます。

そして、この3つのそれぞれにおいて細かい適格要件を検討することになります。

例えば、共同事業要件の適格要件は
① 事業の関連性があること
② (イ)事業規模(売上、従業員、資本金等)が概ね5倍以内
又は
(ロ)特定役員への就任(株式交換株式移転の場合は完全子法人の特定役員の継続)
③ 事業継続要件
移転対価である株式の継続保有(株主)
完全親子関係の継続(株式交換株式移転のみ)
などとなります。今回の記事は④(あるいは⑤)の継続保有要件について述べます。

合併・共同事業要件・株式継続保有要件の条文は法人税法施行令4条の3④五で定められています。

要するに、「被合併法人(消滅会社)の株主のうち、合併により交付を受ける株式の全部を「継続して保有することが見込まれている」者の所有株式の総数が被合併法人の株式総数の8割以上であること」ということですね。

もう少しやさしく説明すると、「被合併法人(消滅会社)の株主のうち、新株式を1株たりとも売る気がない(継続保有見込)人が持っている株式の割合が8割以上」ということになります。

組織再編税制の適格・非適格の判定の特徴として「見込」という言葉が何か所も出てきますが、これ、実務では結構大事です。
「継続保有要件」や「継続支配要件」などで実務上、論点となる事項の代表的なものは「継続して保有することが見込まれる」の定義です。
この場合の「継続して保有することが見込まれる」は文字通りです。判定時期は、その組織再編の時期です。

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