適格組織再編と非適格組織再編

前々回前回に引き続き、法人税の組織再編のおはなしです。
ソモソモ論として、組織再編税制の中の特徴的な言葉に、「適格組織再編」と「非適格組織再編」というものがあります。

全く知らない人が聞くと、
「適格組織再編」 ・・・ 良い組織再
「非適格組織再編」 ・・・ 悪い組織再編
と勘違いされがちですが、そうではありません。実際にはどちらもメリット・デメリットや留意点があります。

まとめると、以下のようになります。

図表1 適格組織再編と非適格組織再編のまとめ

「適格組織再編」 「非適格組織再編」
概念 概念的には、簿価引き継ぎ、株主も投資が継続する、というイメージ。
ただし、欠損金・資産含み損を利用した節税スキームを防ぐための縛りがある。
時価譲渡のイメージ。
合併法人は時価で譲渡し、合併法人は時価で譲り受けたものと考える。

合併法人の株主は、被合併法人の株式を手放し、
合併法人を通じて合併法人の新株式を時価で取得したものと考える。

移転資産の時価課税 税務上は被合併法人の簿価を引き継ぐ。
(会計と税務の乖離がある場合は調整)
合併法人は時価譲渡とみなされ、
合併法人は時価で取得したものとみなす
(会計と乖離がある場合は調整)。
ただし、グループ゚法人税制が適用される場合の一部例外あり。
営業権のれん)の時価課税 生じない。 時価課税が行われる。
合併法人側では税務上は資産調整勘定として5年償却。
税務上の特有の概念。)
利益積立金や資本積立金 税務上は被合併法人の簿価を引き継ぐ。
(会計と乖離がある場合は調整)
税務上は引き継がない。
(原則、資本金等が増える)
株主へのみなし配当及び源泉徴収義務 生じない。 みなし配当や譲渡損益が生ずることがある。
欠損金・含み損失の使用制限 原則として、引き継ぐが、支配関係が生じた
(買収した)のが合併事業年度開始の日の5年以内の場合、
合併法人or被合併法人の欠損金・含み損失の使用制限が生じる。
(ただし、共同事業を営むものとして一定の要件に該当する合併ならば制限なし)
合併法人の欠損金・含み損失は引き継げない。

「適格組織再編」と「非適格組織再編」のどちらが良いかは、応じた場面により様々です。どちらが有利になるかは実際に検討してみないと分かりません。

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