■NTTドコモの行った主なM&A

年月 概要
1999.12 香港のハチソンテレフォンカンパニーに2,000億円出資し、株式の19%取得。
2000.05
オランダの携帯電話会社KPNモバイルに5,000億円出資し、株式の15%取得。
2000.11 米AT&Tの携帯電話事業部門であるAT&Tワイヤレスへ1兆800百億円出資し、株式の16%取得。
2001.01
ビットワレット(現楽天Edy)にソニーなどとともに57億円出資し、株式の5%取得。
2005.04
三井住友カードに増資引き受け等を通じて987億円出資し、株式の34%取得。
2005.11 タワーレコード(東京)に業務提携を目的とし128億円出資し、株式の42%取得。
2005.12 韓国2位の移動体通信事業者KTに増資引き受け等を通じて655億円出資し、株式の6%取得。
2006.01 フジテレビジョンの株式2.6%を207億円で取得。
2006.01 フィリピンの通信事業者PLDT社へ、筆頭株主から株式6.4%を1700億円出資し取得。
2006.03 グアム島および北マリアナ諸島の移動体通信事業者であるグアムセイラー社およびグアムワイアレス社を83億円で株式100%取得し買収。
2006.04 ローソンへ自己株式の譲受により株式の2%を91億円で取得し資本参加。
2006.12 角川グループホールディングスの株式4%を40億円出資し取得。
2007.01 日本テレビ放送網の株式3%を134億円で取得。
2007.06 ゼンリンの高品質な地図データベースと高度な地図データ配信技術を有するゼンリンデータコムの株式10.3%を取得。
2007.06 ファミリーマートの自己株式譲受により株式の3%を90億円で取得。
2009.02 ドコモとエイベックス・エンタテインメントは、新たにエイベックス通信放送を共同出資により設立。ドコモの出資比率は30%で取得価額21億円。
2009.03 インドのタタ・グループ持株会社タタ・サンズ、およびタタ・サンズ傘下の通信事業者TTSLの株式27%を2,667億円出資し取得。
2009.04 エクササイズ商材や健康食品、CD等、ネット通信販売会社オークローンマーケティングの株式51%を310億円出資し子会社化。
2011.12 2009年共同出資により設立されたmmbiへ300億円追加出資し株式の9.5%を追加取得。
2012.03 有機、低農薬野菜と無添加食品の会員制宅配サービスを展開している、らでぃっしゅぼーやを公開買付により69億円で株式の14%取得し買収。
2012.06 2005年に出資していたタワーレコードの株式8.2%を買い増し子会社化。
2013.03 ファッションサイト「MAGASEEK」などを運営するマガシークの株式を公開買付により20億円で株式の71%取得。
2013.05 メディカルデータベース事業を展開する日本アルトマークの株式77.5%を26億円で取得。
2013.08 東京放送ホールディングス及びTBSテレビと業務提携により株式の3%を70億円で取得。
2014.01 料理教室最大手「ABCクッキングスタジオ」を運営するABC HDの発行済普通株式取得により株式51%を200億円で取得。

 00年には、国内携帯電話市場では99年2月から開始したデータ通信サービス「iモード」の大ヒットによりドコモは圧倒的なシェアを持っていた。

 しかし、既に飽和状態になりつつある国内市場において、ドコモにとって海外への進出は必須の課題だった。また、01年にはこれまで国や地域ごとに異なっていた通信方式が次世代携帯電話で統合されるという差し迫った問題もあった。

 こうした状況下、世界市場を攻略するには携帯電話会社のグループ化とネットワークを共同構築することが必要だった。そのため、ドコモは資本参加する際の出資比率を20%以下に抑える一方、次世代サービスに向けた先進技術・ノウハウを供与するという戦略を打ち出した。データ通信性能が高い次世代携帯電話ではiモードのようなネット接続サービスが中心となると考え、必要となる無線通信技術と運営ノウハウを提携関係の担保とする戦略であった。

 ドコモが海外での提携関係を築こうとする中、ライバルの英ボーダフォン・グループは米エアタッチを約6兆2千億円で買収。さらに、米通信大手ベル・アトランティックとの米携帯電話事業を統合し、約17兆7千億円規模で独マンネスマンを買収と、巨額のM&Aにより英独米の三市場を制していた。

 こういったライバル企業の動向が、「iモード」で世界の携帯市場の主導権を握りたいドコモにとって、00年前後の巨額M&Aを急がせる動機となり、それとともに00年以降ドコモは手許資金が減少し、借入の割合が増加している。