■海外M&Aの失敗を教訓に、国内M&Aでは事業の多角化を図る

 度重なる海外でのM&Aの失敗の経験から、ドコモは通信会社としてではなく、携帯電話を核とする総合サービス企業に転身を図ろうとしている。

 09年、テレビ通販「オークローンマーケティング」を皮切りに、有機野菜宅配サービス「らでぃっしゅぼーや」、CD販売「タワーレコード」と異業種の買収・子会社化を積極的に展開している。これらのM&Aでは、提携先とのシナジーを発揮するだけでなく、ドコモのサービスそのものへの取り込みも行われている。

 その一例が、dショッピングである。ここではオークローンマーケティングの通販商品や、らでぃっしゅぼーやの有機野菜を取り扱う。また、dショッピングからタワーレコードのオンラインショップへのリンクも用意している。

 こういったM&Aの方針転換は、将来的には音声通話収入の減少や、スマートフォンのデータ通信料の伸び悩みも見据えたものであり、ドコモは音声通話とデータ通信に頼らない収益構造の構築を急いでいる。

■上場来業績推移

※2003年3月期より米国会計基準へ変更

 ドコモ財務内容を見ると、自己資本比率はITバブル以降も非常に高い水準を保っている。営業収益こそ年々減少傾向にあるものの、利益水準は維持しており、収益構造の効率化が見受けられる。また、株価についてはITバブル期の異常なPERを除き近年は15倍~20倍前後と比較的安定しており、国内携帯電話キャリアNo.1の企業であり、かつ安定した高配当銘柄として、株主も安定していることが伺える。