自社が持つ豊富なデータがAI開発の強み

-DeNAがこれからAI研究のパートナーにしたい企業や業種があれば教えて下さい。

村上 AI開発では企業規模、業種、技術のいずれかでトップの企業とパートナーになることが多い。例えば画像分野の技術では中国が進んでいる。AI開発のセンスタイム(商湯科技)と業務提携したが、ここはディープラーニング(深層学習)による画像認識技術で世界的な定評がある。

同社の顔認証システムを使い、乗客の性別や年齢などを判断して最適のタクシー広告を表示するサービスを提供中だ。センスタイムの優れているところは、モバイル端末で処理が完結すること。取得した顔データはクラウドなどのネットワークに送る必要はなく、リアルタイムで破棄するため個人情報に対するセキュリティーが高い。

-DeNAのAI研究で他社にない強み、差別化できるポイントは?

村上 AI分野では研究開発と実サービスが分かれていることが多い。DeNAではAI部門と業務部門が一緒になって開発に取り組んでいるのが最大の特徴だ。コンピュータービジョン(人間が視覚で実行するタスクのコンピューターによる自動化)やデータサイエンスなど複数の分野のエンジニアたちがプロジェクトに加わり、AIによる問題解決に携わっている。

DeNAは自社で映像や音声、テキストなどの豊富なデータを持っており、さまざまなAIの活用をトライできるのも強みだと思う。DeNAにトップレベルのエンジニアが集まるのもそのため。AI研究者にとってはアカデミズムよりも、実データが集まる企業の方が魅力的だ。DeNAのAI部門の雰囲気は、デジタル系のスタートアップ企業に近い。

「企業規模、業種、技術のいずれかでトップの企業とパートナーになることが多い」と語る村上さん