AIスタートアップのM&Aは常に検討している

-AIには特定の用途に機能を絞った「特化型AI」と、人間の知能に近くどんな用途にも使える「汎用型AI」があります。DeNAが目指すのはどちらですか?

村上 特に区分していない。そもそも「汎用型AIとは何か?」との定義が難しい。ただ、現在取り組んでいるテーマは実用的でサービスへの実活用を目標としているものなので、特化型AIといえるかもしれない。一方で3年後とか10年後を見すえた先行的な研究開発も併せて進めている。

例えば「AlphaGo(アルファ碁)」は強力なリソースを使った大量の試行錯誤で強化学習を実行して最善手を導き出すAIだが、スマートフォン(スマホ)向けのゲームで使うにはコスト負担が重い。そうなると試行錯誤の回数を抑えて自律的な判断をしていくタイプのAI開発が必要になる。

-現在、AIでキャッチアップ目標あるいはベンチマークとしている企業はありますか?

村上 DeNAは幅広い領域の自社サービスでAIを利用するユニークな存在だ。自社だけでなく、他社とも一緒にAI研究に取り組んでおり、キャッチアップやベンチマークは意識していない。

-AI研究ではスタートアップ企業とのM&Aが相次いでいます。DeNAもAIスタートアップとのM&Aを検討していますか?

村上 それは常に検討している。「AIでこういうことをしたいから、そのためにどの技術が必要か」という視点で候補企業を探す。M&Aの対象となる企業はDeNAにないAI技術を持ち、ニッチでもいいからトップレベルであること。DeNAと買収した企業の強みが1+1で2以上になる相乗効果を狙いたい。双方にとってプラスになるようなM&Aだ。

「双方にとってプラスになるM&Aを検討している」と話す村上さん