駅前好立地展開していた牛角のFC店がコロナ倒産

営業再開の目途が立たない「牛角」

コロワイド、クリエイト・レストランツ・ホールディングス、DDホールディングス<3073>、ヴィア・ホールディングス<7918>は、M&Aによる拡大戦略を明確に打ち出していた企業です。

コロワイドは2014年10月にカッパ・クリエイトホールディングス<7421>を買収して回転ずし業界に進出。2016年10月にはフレッシュネスバーガーを買収して、ファーストフード業界にも手を広げました。直近では、2020年3月にJFLAホールディングス<3069>から、「牛角」のフランチャイズ事業を譲受しています。業態を跨ぐ横展開と、同業のロールアップによる深耕を急ピッチで進めていました。

その戦略が新型コロナウイルスによって痛手となりつつあります。2020年4月の売上高は前年比28.0%となりました。コロワイドが抱える業態は、居酒屋、焼肉、回転ずし、ステーキレストラン、カラオケなど、新型コロナウイルスの影響を受けやすいエンタメ業態に偏っていました。唯一、影響の小さかったファーストフードのフレッシュネスバーガーがありますが、売上規模は10億円程度と小さく、全体をカバーするまでには育っていません。

静岡市内でコロワイドの主力業態「牛角」のFC店を運営していたウィン・ウィン(本社:静岡県静岡市)が、5月15日に破産申請をしています。駅前の好立地に出店していたものの、非常事態宣言を受けて営業を自粛。資金繰りが悪化して事業継続を断念したのです。焼肉は飛沫の観点から顧客の戻りが遅いと言われる業態です。「牛角」を全国展開していたコロワイドは苦戦が予想されます。

383店舗を展開する居酒屋事業は、「甘太郎」など食べ放題を売りとしているブランドが多く、こちらも厳しい戦いが待ち構えているとみて間違いありません。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、イクスピアリなどの商業施設内レストランの他、都市部や郊外に「磯丸水産」などの居酒屋を出店しています。2019年9月にゴルフ場のレストランを運営するクリエイト・スポーツ&レジャー(本社:東京都品川区)、同じく9月にカリフォルニア州などでイタリアンレストランを20店舗展開するイルフォルナイオ社を買収していました。商業施設の休業や閉鎖、米国の終息の遅れが経営に深刻な打撃を与えそうです。

最後に、新型コロナウイルスが業界ごとに与えた影響をみてみます。下の表は各業態の代表的なブランドの3月、4月の既存店売上です。緊急事態宣言下でも好調だったのが、マクドナルドと吉野家でした。テイクアウトもできる日常食業態です。クリエイト・レストランツ・ホールディングスが得意としてきた、レストラン業態は苦戦中です。「のれん」の大きい上位企業が傘下に収めてきたエンタメとしての食業態は、思いがけない艱難辛苦に直面しています。

【飲食ブランド既存店売上】

ブランド業態3月4月
マクドナルド ハンバーガー 99.9% 106.5%
吉野家 牛丼 98.2% 96.0%
スシロー 回転ずし 86.3% 55.6%
トリドール うどん 84.7% 54.7%
日高屋 ラーメン 82.0% 49.3%
すかいらーく ファミリーレストラン 76.1% 41.8%
グローバルダイニング ディナーレストラン 51.4% 39.2%
ワタミ 居酒屋 59.6% 7.5%


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