ハンバーガー、回転寿司、老人ホームまで 居酒屋企業はウィズコロナでどう変わる?

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老人ホーム事業への進出を計画する「や台ずし」のヨシックスホールディングス

マクドナルドの戦略を再現する鳥貴族

トリキバーガー
TORIKI BURGREのセットメニュー(画像は「「TORIKI BURGER」8 月 23 日グランドオープンが決定!」より)

自社での業態開発にこだわっているのが鳥貴族とワタミです。

鳥貴族の「TORIKI BURGER」は席数が54席で店舗面積は186㎡。外観や内装、価格帯はマクドナルドと近いですが、チキンバーガー専門店として差別化を図っています。また、鳥貴族の均一価格を踏襲しており、セットメニューは590円に揃えられています。売上目標は2億円。客単価700円として年中無休だとすると、この目標達成に必要な1日の客数は783。この数字はマクドナルドとほぼ同水準であり、ベンチマークしているのは間違いありません。鳥貴族は3年で直営店10~20店舗の出店を計画しています。

鳥貴族はフランチャイズ加盟店が多いことが特徴の一つです。2021年4月末時点で617店舗のうち、232(37.6%)がフランチャイズ加盟店です。直営のハンバーガーショップが軌道にのれば、フランチャイズビジネスの拡大が見込めます。フランチャイズでの事業拡大という点もマクドナルドの戦略とよく似ています。

ワタミは居酒屋を焼肉店へと転換しました。焼肉店への転換は排煙装置やグリルなどの設備投資費が重く、資金が必要になります。ワタミは日本政策投資銀行が出資をする「DBJ飲食・宿泊支援ファンド」から120億円を調達し、転換費用に充当しています。ワタミの2022年3月期第1四半期の国内外食事業の売上高は前期比130.2%増の28億5,900万円となったものの、21億6,700万円のセグメント損失(前年同期は33億1,100万円の損失)を計上しています。赤字幅は縮小していますが、回復の兆しはまだ見えていません。好調の焼肉店は「焼肉きんぐ」などのロードサイド型が多く、繁華街型の出店が多いワタミは焼肉店への転換後も集客に苦戦している可能性があります。

厳しい船出となった寿し常の買収

東京一番フーズは2020年6月に豊田(2020年6月に自己破産)が運営していた回転寿司「寿し常」の26店舗を譲受しました。日本フードサービス協会によると、回転寿司業態の2021年6月の売上高は2019年比で94.9%。回転寿司の需要はコロナ禍でも旺盛です。また、東京一番フーズはふぐ料理などをメインで扱っており、漁業生産者などとの連携も強固です。買収によって食材網を活用でき、原価率を低減するなどシナジー効果も期待できます。

ただし、その船出は順風満帆ではありません。破産した豊田の破産管財人から、事業の一部と不動産が不当な価格で売却されたとして、2億円の支払いを求めました。東京一番フーズは適正な価値を提示しているとして、真っ向から対立しています。

文:麦とホップ@ビールを飲む理由

麦とホップ @ビールを飲む理由

しがないサラリーマンが30代で飲食店オーナーを目指しながら、日々精進するためのブログ「ビールを飲む理由」を書いています。サービス、飲食、フード、不動産にまつわる情報を書き込んでいます。飲食店、宿泊施設、民泊、結婚式場の経営者やオーナー、それを目指す人、サービス業に従事している人、就職を考えている人に有益な情報を届けるためのブログです。やがて、そうした人たちの交流の場になれば最高です。

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