【検証】時短協力を拒否した「ラ・ボエム」の判断は正しかったか

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緊急事態宣言中に客単価が上がった「ラ・ボエム」

東京都内を中心としてレストラン「ラ・ボエム」や「モンスーンカフェ」を展開するグローバルダイニング<7625>は、商業施設に入る一部店舗を除いて時短要請には従わないことをきっぱりと宣言しました。1都3県で時短要請に応じた場合、1日60,000円を上限とする協力金が支払われますが、もちろんこれも断固拒否。20時までの営業での事業の維持、雇用は無理だとしたのです。

グローバルダイニングの2021年1月の売上高は4億9,100万円となりましたが、これが通常営業をした場合と時短要請に応じて協力金を得た場合の、どちらが得策だったのでしょうか? この記事は開示情報をもとに、筆者が独自に検証する内容です。結論を先に書くと、従わなかったことが奏功したのではないか、となりました。

この記事では以下の情報が得られます。

・飲食店は時短要請に従うべきかどうか
・グローバルダイニングの店舗運用状況

1店舗あたりの売上は前年比16.5%減で済んだか

グローバルダイニングテラス席
テラス席をコロナ禍の集客フックに(画像は決算説明資料より)

1月の開示情報をもとに1レストランあたりの数値を分解し、コロナで客単価や客数がどのように動いたのかみてみます。そこから時短協力をして60,000円を受け取った方が良いのかどうなのかを検証します。

グローバルダイニングは1月の段階で国内41店舗を運営しています。2021年1月の売上高は前年同月比23.9%減の4億9,100万円となりました。1店舗あたり1か月の売上高は1,200万円。2020年1月の店舗数は45で売上高は6億4,600万円でした。1店舗あたりの売上高は1,400万円。コロナ禍で1店舗あたりの売上高は16.5%減少しています。

2021年1月の1レストラン1日あたりの売上は387,000円。2020年1月は463,000円です。

次に客単価を出します。

グローバルダイニングは、「ラ・ボエム」、「ゼスト」、「モンスーンカフェ」、「権八」が主力店舗となります。白金、渋谷、恵比寿、西麻布など都内に集中して店舗を構えています。平均客席数は149。グルメ媒体に掲載されているランチの客単価が2,000円、ディナーの客単価が3,000円~8,000円です。これを各業態の客席数に応じて平均客単価を算出すると、1レストランあたりのランチ客単価が2,000円、ディナー客単価が5,363円となりました。ランチが全売上の20%、ディナーが80%を占めていると仮定すると、ランチ・ディナーを加味した平均客単価は4,691円です。これがコロナ前の客単価となります。2021年1月は前年よりも客単価が19.7%上昇したと開示されていますので、2021年1月の客単価は5,615円となります。

次いで客数を出します。

2020年1月の1レストラン1日の売上は463,000円。客単価は4,691円でしたので、1日の客数は98.7人となります。2021年1月は387,000円の売上でした。客単価5,615円で除すると68.9人になります。およそ30.2%の減少です。この試算値は開示されている情報(29.9%減)とほぼ同じです。

ここまで客席数やグルメ媒体の情報をもとに客単価を算出し、そこから客数を割り出しました。その客数の減少幅が開示されている情報とほぼ近いことから、客単価、客数は実際の数字から大きく外れていないと考えられます。

■グローバルダイニング1レストランあたりの試算値

2020年1月 2021年1月 増減
1日売上 463,000円 387,000円 16.5%減
客数 98.7人 68.9人 30.2%減
客単価 4,691円 5,615円 19.7%増

稼働時間あたりの客数を算出します。グローバルダイニングのレストランはアイドルタイム(稼働しない時間帯)を採用していない店舗が多いため、全稼働時間をもとに算出します。

11時から23時ラストオーダーで営業した場合、実質的な稼働時間は12時間です。コロナ前では1時間あたり8.2人訪れることになります。一方、コロナ禍では1時間あたり5.7人となりました。ここでもし、時短要請にしたがっていたら、どうなるでしょうか。

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