DDホールディングスが債務超過へ転落 担保額は92億円に

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遊戯施設運営のバグースは2011年に子会社化

居酒屋「熱中屋」や「わらやき屋」、「ヴァンパイアカフェ」などを運営するDDホールディングス(旧ダイヤモンドダイニング)<3073>が2021年2月期に3億100万円の債務超過に転落しました。

理由は85億700万円の巨額損失を計上したため。営業損失は97億300万円に上りました。子会社で「kawaraCAFE」などを運営するエスエルディー<3223>も3億3,200万円の債務超過となっています。

DDの2020年2月期の純資産額は85億3,300万円で、自己資本比率は18.2%でした。新型コロナウイルスはわずか1年でそれらをすべて吹き飛ばしました。DDは担保に差し出している資産額も4倍に増加し、極めて危険な状態に置かれています。

この記事では、以下の情報が得られます。
・DDホールディングスの業績
・DDの借入額と担保の中身
・苦境を脱するための手法

100業態100店舗」を達成 異色の外食企業

DDは異色の外食企業として名を馳せました。創業者で代表の松村厚久氏は、大学卒業後にディスコの黒服としてビジネスマン人生をスタート。日焼けサロン事業で起業の道を選んだ後、2001年に銀座の「ヴァンパイアカフェ」をオープンして人気を集めました。2007年に大証ヘラクレス(現ジャスダック)に上場。2015年に東証1部に指定替えしています。松村氏は若年性パーキンソン病を患っており、難病を抱えながらも会社を1部上場へと導いた姿は2018年に映画「熱狂宣言」となって公開されています。飲食業界に限らず名経営者として有名です。

村松氏はその経歴もさることながら、DDが異色だったのは型破りの事業展開です。「100業態100店舗」という目標を掲げ、それを2010年に達成しました。通常、規模の大きな外食企業は、経営の効率化やドミナント戦略、フランチャイズ展開の面から、同業態同ブランドの多店舗展開が常識でした。しかし、DDはそれが時代に合わないと多ブランド化したのです。

不思議の国のアリスの世界観を表現したダイニングや、きゃりーぱみゅぱみゅさんの演出で知られるアートディレクター・増田セバスチャン氏を起用した最先端のカフェをオープンするなど、時代を先取りした店舗を次々と展開しました。

その過程で活用したのがM&Aです。

水炊き専門店「さかえや」や日本料理「美食米門」を運営するフードスコープを2008年12月に買収。新橋のすき焼きの名店「牛弁慶」も譲受しました。DDはコンセプト型の店舗を出店すると同時に、味に評判のある飲食店を次々と傘下に収めました。

DDホールディングス運営店舗
DDホールディングス「2021年2月期決算補足説明資料」より引用

新型コロナウイルス感染拡大前はホテルやブライダルなど、飲食業に限らずM&Aを繰り返していました。

■DDホールディングス業績推移(単位:百万円)

2017年2月期 2018年2月期 2019年2月期 2020年2月期 2021年2月期
売上高 30,509 45,077 50,973 57,369 23,433
営業利益 1,641 2,204 2,115 2,846 -9,703
総資産 18,737 27,653 26,553 38,579 31,309
ROA 8.8% 8.0% 8.0% 7.4% -
DDホールディングス 売上高・営業利益・ROA推移
DDホールディングス有価証券報告書より作成

買収したのれんに見合う利益が出せず

DDの売上高は2018年2月期から2桁増の快進撃を続けていました。毎年のようにM&Aを実施していたためです。2020年2月期に前期比34.5%増の28億4,600万円の営業利益を出すなど、利益面でも好調に見えます。しかし、買収したのれんに見合う利益を上げていたとは言えません。ROA(総資産利益率)は低下し続けていたのです。

ROAは利益を総資産で除したもの。会社がすべての資産を活用してどれだけ稼いでいるのかを見る指標です。上の表は本業の力を見るため、営業利益で出しています。ROAは2017年2月期の8.8%から下がり続け、2020年2月期には7.4%と1ポイント以上落としました。同一ブランドで展開している串カツ田中ホールディングス<3547>のコロナ前(2019年11月期)のROAは10.8%です。

DDは債務超過に陥ったことで子会社の整理が必要になると考えられます。2020年11月DDは盟友ともいえるゼットン<3057>の第三者割当増資に応じず、出資比率が下がって連結子会社から持ち分法適用関連会社となりました。DDは積極的に事業整理をしているというよりも、子会社の離反を招いているようにも見えます。

しかもDDの資金切れは深刻です。2021年2月末時点での現金及び預金は42億5,900万円。前年比で46.2%減少しています。

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