回復予想の「焼肉事業」あみやき亭が1年で黒字転換

alt
写真はイメージです

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2021年3月期に創業以来初の赤字に陥った、焼肉店「あみやき亭」などを運営するあみやき亭<2753>が、1年で黒字に転換する見通しを公表した。

営業時間の短縮要請などで居酒屋などの外食産業が大きな打撃を受けているのに対し、あみやき亭は焼肉を中心とする事業を展開しており、この差が奏功するようだ。

M&Aでホルモン焼きや焼き肉レストランなどの企業をグループ化し、仕入れ面などで相乗効果を生み出しているのもプラスに働きそう。

居酒屋のワタミ<7522>が焼肉業態への転換を進めるなど、焼肉事業での競争は今後激しくなることが見込まれる。果たしてあみやき亭は2022年3月期に予想通り黒字を確保できるだろうか。

全段階で利益を計上

あみやき亭の2021年3月期の売上高は221億3700万円で前年度比30.6%の減収だった。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う時短営業や外出自粛などの影響で大幅な落ち込みが避けられなかった。

減収に伴い損益も悪化し、営業損益は24億200万円、経常損益は10億800万円、当期損益は14億3300万円の赤字に転落した。赤字は1995年に創業して以来初めてという。

これが2022年3月期には売上高が前年度比27.4%増の282億円と増収に転じるほか、営業利益は1億2000万円、経常利益は3億5000万円、当期利益は2億5000万円といずれも黒字化する。

同社は「肉の専門知識を駆使した国産牛メニューや焼肉マスターを中心とした接客力の磨き込みを行う」としている。既存店の競争力を高め、黒字転換を目指す考えだ。

また、2019年4月に子会社化したホルモン青木を運営する杉江商事とは食肉事業の強みを生かしコスト見直しを進めている。2014年に子会社化した焼肉店などを展開するアクトグループには、あみやき亭から焼肉食材を供給し、相乗効果を高めている。

さらに、2009年に子会社化した焼肉店展開のスエヒロレストランシステムでは、和牛商品をチェーン店価格で提供しており、こうした取り組みの効果もプラスとなる。

次の一手が必要か

あみやき亭の月次の売上高推移を見ると、焼肉部門の2021年3月の既存店売上高が前年同月比0.1%増となり、2021年3月期中では2020年11月以来の2回目の前年実績越えとなった。焼鳥部門や、レストラン、寿司店、居酒屋などのその他部門は前年実績割れが続いており、焼肉部門の回復が目立つ。

ただ、焼肉事業については、居酒屋を展開するワタミが、居酒屋業態店から焼肉業態店への転換を進め、2022年3月期末までに120店舗を出店するなど、競争の激化が予想される。

あみやき亭が予想通り1年での黒字化を実現するためには、M&Aなどのさらなる一手が必要となるかもしれない。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

業績下方修正の「あみやき亭」M&A効果は現れるか

業績下方修正の「あみやき亭」M&A効果は現れるか

2020/01/08

​焼肉のあみやき亭が苦戦している。2020年3月期の利益が当初予想より大幅に下回る見通しだ。国産牛肉相場が高止まりしているほか人件費なども上昇しているためで、営業利益、経常利益、当期純利益がいずれも20%前後の減益となる。