希望(早期)退職者の募集に踏み切る上場企業がじわじわ増えている。5月だけで地場百貨店のさいか屋、フリーペーパー大手のぱど、アパレル名門のレナウンなど8社に上った。

今年に入って希望退職者の募集を発表した企業は合計24社(一覧表を参照)で、昨年同期の2倍を上回るハイペースだ。旅行や小売りなどの一部業種では新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化が引き金になったケースも出ている。

民事再生のレナウン、今年最大の300人

募集規模が今年最大となったのはレナウン。5月28日、関係会社を含めて300人程度の希望退職者を募集すると発表した。連結従業員の3分の1にあたり、募集期間は6月4日~11日。退職日は6月30日。

レナウンは5月15日に東京地裁から民事再生手続きの開始決定を受けた。長年の業績不振に加え、新型コロナによる外出自粛や百貨店の臨時休業などで衣料品販売が激減し、資金繰りが行き詰まったのだ。8月半ばを期限とする再生計画の策定に向け、スポンサー企業探しとともに、ブランドの統廃合や不採算店舗閉鎖など構造改革に着手している。

実は同社は昨年8月、150人の希望退職者を募集する計画を公表したものの、「事業環境の変化」を理由に募集を中止した経緯がある。今回、経営破綻に至ったことで、募集規模も2倍に膨らんだ形だ。

ぱど、足元の業況悪化で追加募集

ぱどは、5月中に募集を2度行う異例の展開となった。5月半ばに100人程度を募り、105人が応じた。ところが、月末になって70人を追加募集すると発表。4月実績と5月見込みが受注目標を大きく下回る状況となり、主力のフリーペーパー事業の存続のためにもう一段のコスト削減策を迫られたのだ。

同社は2017年にRIZAPグループの傘下に入ったが、業績改善が進まず、昨年末にRIZAPグループから離脱。紙媒体市場が縮小する中、発行エリアや子会社再編など抜本的な構造改革の途上にある。

さいか屋は横須賀店(神奈川県横須賀市)を2021年2月に閉店するのに合わせ、120人程度(35歳以上、非正規社員を含む)の希望退職者を6月下旬に募る。横須賀店の従業員は約130人。1928(昭和3)年に百貨店として開店し、90年を超える歴史を持つ。しかし、1991年をピークに売上高が減少し、ここ数年は赤字が常態化していた。