スポーツクラブ大手の2020年3月期決算は軒並み、減収減益に見舞われた。新型コロナウイルスの感染拡大で3月以降、臨時休業に入ったのに伴い、休会者や退会者が増加し、売上高を落とした。先行きの業績にも暗雲が漂っている。

コナミスポーツ、60億円の営業赤字に転落

コナミホールディングス(HD)傘下のスポーツ事業(コナミスポーツクラブ)の2020年3月期の部門業績は売上高が7.1%減の589億円、営業損益が60億円の赤字転落(前期は21億円の黒字)だった。

直営店舗の閉鎖、自然災害・固定資産の減損損失の計上に加え、新型コロナを受けて年度末の3月にスクールの休講や一部店舗の休業を実施したことなどが響いた。コナミスポーツは直営180店舗のほか、自治体などからの業務受託203施設を運営する業界最大手。

日本テレビホールディングスの子会社で、173店舗(24時間ジム「FASTGYM24」111店舗を含む)を運営するティップネスも大幅に業績が悪化。最終損益は前期約13億円の黒字から11億5000万円の赤字に転落した。

ティップネスの店舗(都内)

退会者増え、新入会員勧誘もままならず

スポーツクラブ各社は3月に入り、感染防止のためスタジオプログラム休止や営業時間短縮などを打ち出したが、これに伴い、休会登録扱いの希望者が続出。4月初めに緊急事態宣言が出て、全面的な休業に突入したことで、退会の手続きに移行する会員が広がった。しかも、この時期最も重要な新入会員の勧誘もままならず、まさに八方ふさがりの状態だ。

セントラルスポーツは3月単月の売上高が前年の79.5%まで落ち込んだ。野外スクール・ツアーの中止による減収や休会登録者の増加による月会費差額の返還などで、通期の営業・最終利益はいずれも2ケタの減益となった。

ルネサンスは3月の入会者数が前年の半分以下に減った。退会者も増加し、3月末の在籍会員数は40万4906人と1年前より1.6%減った。休会者も大幅に増えたという。

ルネサンスの最終利益は43%強ダウンした。その要因の一つは新型コロナの感染拡大によるインストラクターなどへの休業補償を特別損失として計上したことだ。また、同社は取引銀行のコロナ特別ファンドを利用して、4月末に40億円を資金調達した。

ホリデイスポーツを中核にホテル、不動産事業を展開するのが東祥。東海地区を地盤とするスポーツクラブ事業は全売上高の6割近くを占めるが、部門営業利益は約20%減った。3月に北海道の7店舗を休業したことなどが響いた。また、来年3月に予定していた3店舗の新規出店を中止した。

ホリデイスポーツ…休業中の店舗(都内)

メガロスを傘下に持つ野村不動産ホールディングスのフィットネス事業の部門売上高は前年度比5.3減の157億円。メガロスは主要クラブで唯一、3月初めから全47店舗で一斉休業に踏み切った。

業績予想はできず

セントラル、ルネサンスの専業上場2社は2021年3月期の業績予想について算定が困難だとして見送っている。

政府は14日、緊急事態宣言を39県で解除した。残る8都府県については21日をめどに解除の可否を判断する見通し。ただ、たとえ全国的な宣言解除になったとしても、“3密”と隣り合わせのスポーツクラブにとって、通常営業の再開は手探りとなりそうだ。

◎スポーツクラブ各社の2020年3月期業績(単位億円)

 売上高営業利益店舗数
コナミスポーツ589(7.1%減)△60(―)180
セントラルスポーツ533(1.6%減)38(10.1%減)179
ルネサンス450(2.2%減)32(13.6%減)98
ティップネス358(5.0%減)8.4(63.6%減)173
ホリデイスポーツ194(3.4%減)41(19.5%減)94
メガロス157(5.3%減)47

※コナミスポーツはコナミHD、ホリデイスポーツは東祥、メガロスは野村不動産HDの部門業績に基づく。店舗は直営店舗(3月末)

文:M&A Online編集部