「コロナ」下、定時株主総会の開催にあたり、「継続会」制度の利用を公表する企業が20社に達した。あまり耳慣れない「継続会」だが、一体、どのような仕組みなのか?

総会延期はすでに40社

会社の最高機関である株主総会には年に1度の定時株主総会と、必要に応じて招集する臨時株主総会がある。定時株主総会は通常、決算期末から3カ月以内に開かれ、決算報告・承認とともに、剰余金の処分(配当)、取締役や監査役の選任などの決議が行われる。上場企業の約65%を占める3月期決算会社(2300社強)の場合、6月下旬に定時株主総会が集中するのが常だ。

ところが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの企業で決算や監査手続きの遅れが生じている。このため、6月中に予定していた定時株主総会の開催を7月以降に延期する企業が相次いでいる。

定時株主総会の延期は2011年の東日本大震災時、東北に本社を置く企業でいくつか例があったが、今回のコロナ局面では日立製作所、東芝、凸版印刷、オリンパス、レオパレス21などおよそ40社に上る。

配当、取締役選任などを先に決議

その一方で、延期をしない代わりに、「継続会」を利用する企業が広がっている。2段階方式とも呼ばれ、予定通りに株主総会を開き、剰余金の処分、取締役・監査役の選任などの事項を先に決議し、間に合わなかった計算書類の承認や監査報告については後日に開く継続会で行う。当初総会では、総会の「続行」(会社法317条)を決議しておく必要がある。

コロナの影響を理由として継続会開催を公表した企業は20社(5月22日時点、表参照)。このうち継続会の日取りをすでに決めているのはフェローテックホールディングス、リーダー電子の2社だけ(いずれも7月31日)。アイフリークモバイル、国際計測器は7月下旬、その他は現時点で未定としている。

定時株主総会から継続会までの期間については、金融庁などが3カ月を超えないことを目安として示している。

延期に比べ使い勝手が良い?

株主総会そのものを延期する場合に比べて、継続会にはどんなメリットがあるのか。先に取締役や監査役の選任を行えるので新たな経営体制を早期にスタートできるほか、議決権行使の基準日を変更する必要もないことから、使い勝手の良さを指摘する向きがある。半面、継続会とはいえ、株主総会を2度開催することになるので、事務負担は増すことは避けられない。

◎定時株主総会の「継続会」開催を公表した企業(エヌリンクスは2月期決算)

発表日社名総会日継続会
5月22日 リズム時計工業6月19日 
新田ゼラチン6月25日
リーダー電子 6月26日7月31日
21日 大和自動車交通    6月26日 
ミクニ 6月26日 
大同工業 6月26日 
20日 アイフリークモバイル 6月25日 7月下旬
リケン 6月26日  
19日 フェローテックHD6月26日 7月31日
18日 中央ビルト工業 6月19日  
15日 三栄コーポレーション 6月26日  
国際計測器 6月29日 7月下旬
14日 ナカノフドー6月26日  
ADEKA6月29日  
13日 芦森工業6月19日  
日本農薬6月26日  
12日 エヌリンクス5月28日  
パイオラックス6月24日  
11日 アネスト岩田 6月25日  
8日 NKKスイッチズ 6月29日  

文:M&A Online編集部