情報システム、引越、不動産仲介の買収にも注目

第11次中期経営計画スタート後のM&Aは、本業である倉庫や運送関連の企業だった。今後も規模拡大のため、同業の買収が続くと予想される。その一方で、運輸業界はドライバー不足や燃料費の高騰リスクなどから、成長が鈍化する可能性も否定できない。

ニッコンHDは早くから物流の効率化に取り組んできた。1950年代に二段積載車両、1980年代に三段積載フルトレーラーや日本初となる車軸伸縮式トレーラー、モーダルシフトに対応したJR仕様の2段床昇降式専用コンテナなどを開発。2014年には次世代環境型新規格21mフルトレーラーの運行を始めている。

「第19回物流環境大賞 日本物流記者会賞」を受賞する
日本梱包運輸倉庫の大岡誠司社長=写真右(同社ホームページより)

こうした先進的な取り組みが評価され、2015年に日本物流団体連合会の「第16回物流環境大賞」受賞。2018年7月にも船舶によるモーダルシフトと 21mフルトレーラーによる乗継運行を組み合わせた斬新な取り組みが評価され、「第19回物流環境大賞 日本物流記者会賞」を受賞している。こうした効率化の努力もあり、逆風下の輸送業界にあっても成長を続けることができたといえよう。

とはいえ、これからのドライバー不足や燃料費高騰リスクは、物流効率化の努力だけで乗り切ることは難しいだろう。ニッコンHDもそこは十分に認識しているようで、引っ越しや情報システムなどの新分野にも注力している。

ニッコンHDは企業内情報管理部門を分離・独立し、情報システムを手がけるニッコン情報システムを2016年4月に設立。グループのシステム企画・開発を担うとともに、外販も視野に入れている。新たな引越事業会社のニッコンムービングは、2016年4月に事業を開始した。

2018年6月には不動産仲介の築地リアルエステートを設立。当面はニッコンHDグループの不動産仲介業務に当たるが、将来は外販へも展開していくという。今後はこれらの子会社を核に、それぞれの事業でM&Aを実施して新たな経営の柱を育てる可能性もある。本業の輸送・倉庫以外にも、情報システムや引越、不動産仲介での買収にも注目したい。