小田急系のビーバートザンを子会社

コーナン商事は近畿圏におけるホームセンターの草分けとされる。1978(昭和53)年に堺市で設立し、市内に第1号店を開業した。

第1次石油危機から5年後、翌年には第2次石油危機が到来した。母体となったのは石油製品小売りを手がける港南。時代の変化を敏感にとらえ、経営の多角化を模索した末に、住生活産業への展開を決めたのだ。

近畿圏で集中出店するドミナント戦略で強固な地盤を築き、中国、四国、東海に次第に店舗を広げた。2000年に100店舗、05年に200店舗、14年に300店舗を達成した。

この間、首都圏には03年に初出店(都内と横浜の2カ所)した。11年以降はコーナンPROの展開にも乗り出した。

ビーバートザンの経堂店(東京都世田谷区)

2017年5月には小田急電鉄のホームセンター子会社、ビーバートザン(神奈川県厚木市)を買収した。同社は01年に設立し、小田急線沿線に11店舗(現在10店舗)を持ち、当時の売上高は約80億円。買収金額は非公表だが、コーナンにとって本格的なM&Aの手始めとなるもので、首都圏攻勢を印象づけた。

地盤である近畿では新規出店が基本。大阪、兵庫、和歌山でM&Aの経験はあったものの、いずれも数店舗の小規模案件にとどまっていた。

建デポに「コーナン流」をどう移植

そして満を持して繰り出したのが約240億円を投じる建デポの買収だ。6月3日付で子会社化が完了する。だが、買収後、ただちに良好な視界が開けるわけではない。ポストM&Aの“大仕事”として、建デポの経営立て直しが待ち受けるからだ。

建デポの18年3月期は売上高337億円、営業赤字10億7300万円、経常赤字10億3900億円、最終赤字10億4500万円で、ここ数年、赤字が常態化している。足元の19年3月期は経常損益で黒字を見込むというが、なお構造変革の途上にある。

ここにコーナン流の経営をどう移植して、業績改善に導くのか。

ホームセンター業界はDCMホールディングス、カインズ(非上場)、コメリ、コーナンが4強を形成し、売上高は4000億~3000億円台。コーナンは売上高では4番手だが、収益力に定評がある。

19年2月期の営業利益は12.6%増の199億円。営業利益率は6.2%と、DCM(4.8%)、コメリ(5.2%)を押さえてトップに立つ。既存店売上高でもDCMが前年割れ(2.3%減)だったのに対し、コーナンは2.9%伸ばしており、健闘ぶりが光る。

コーナンは商品企画力、販売力、物流、システムなどの経営ノウハウを提供、融合することで両社に大きなシナジー(相乗効果)が見込めるとしている。物流や経営システムの共通化などの協業が具体化することになりそうだ。

◎中期経営3カ年計画の目標

19/2期20/2期予想21/2期目標
営業収益3,3343,373
売上高3,1953,2303,300
経常利益187190200
最終利益108110120
ROE9.9%前期並み10%以上

※営業収益は売上高+営業収入、ROEは自己資本利益率