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【第一生命HD】海外M&Aを軸に「成長シナリオ」演じる

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東京・日比谷の本社

ベトナムが海外生保事業の出発点

第一生命グループが海外で生保事業の本格展開に乗り出して10年あまり。その出発点はベトナムだった。米・豪に比べ規模で見劣りするが、アジアではベトナムを基軸に「面」としての広がりが群を抜く。

地場生保のバオミンCMG(現第一生命ベトナム)を買収したのは2007年。進出当時25億円程度だった保険料収入はすでに10倍以上に拡大し、シェアもこの間、4.4%から10%を超えるまでに成長した。ベトナム国内ではプルデンシャル(英)、バオベト(ベトナム)、マニュライフ(カナダ)に次ぐ大手生保としての地位を確立した。販売網も地元有力銀行との提携で全土をカバーする。

2008年にタイのオーシャンライフに出資(24%)したのに続き、翌2009年にインドの国有銀行との合弁生保スター・ユニオン・第一ライフが営業をスタートした。2013年にはインドネシアのパニン・ライフ(現パニン・第一ライフ)に出資し、実質的に傘下に収めた。そして2014年、シンガポールに地域統括会社DLIアジアパシフィックを設立し、域内で迅速な経営判断が行える体制を敷いた。

カンボジアでも先陣を切る、生保子会社を設立

次に照準を合わせたのはカンボジア。今年3月、ベトナムに次ぐ2社目の生保子会社を100%出資で設立した。カンボジア進出は日系生保で初めてで、現在、開業準備中。東南アジアの各グループ会社と連携しながら、経済成長に伴い急速に拡大する同国の生保市場をいち早く取り込む。

生保業界はバブル崩壊後、所得環境の悪化や資産運用難など厳しい経営環境に直面した。主力としてきた死亡保障商品へのニーズが大きく後退。個人保険の保有契約高は1990年代半のピーク時に1500兆円近くに達したが、最近では860兆円(2016年度末)まで約4割減少している。海外に活路を模索する機運が高まる中、そのトップランナーが第一生命グループだった。

M&Aを中心に主な出来事
2006 第一フロンティア(現第一フロンティア生命)を設立 
2007 ベトナムの生保バオミンCMG(現第一生命ベトナム)を買収
2008 タイのオーシャンライフに出資
2009 インドのユニオン・バンク・オブ・インディアとの合弁生保「スター・ユニオン・第一ライフ」営業開始
2010 相互会社から株式会社に組織変更
東証1部に上場
2011 豪生保大手、タワー・オーストラリア・グループ(現TALグループ)の全株式を取得し子会社化
2013 インドネシアのパニン・ライフ(現パニン・第一ライフ)に出資
2014 第一フロンティア生命を完全子会社化
損保ジャパン・ディー・アイ・ワイ生命(現ネオファースト生命)の全株式を取得し子会社化
シンガポールに地域統括拠点、DLIアジアパシフィックを設立
2015 米生保大手、プロテクティブ・ライフを買収
2016 持ち株会社制に移行に伴い、第一生命ホールディングスを発足
DIAMアセットマネジメントがみずほ信託銀行の資産運用部門、みずほ投信投資顧問などと統合し、アセットマネジメントOneを発足
2017 米資産運用関連会社のジャナス・キャピタルが英国ヘンダーソングループと統合し、ジャナス・ヘンダーソン(ロンドン)が発足
2018 (1月) 米生保リバティライフの既存契約(ブロック)を約1400億円で買収
(3月)カンボジアで第一生命カンボジアを設立
(8月)豪生保、サンコー・プライフを買収

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