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【ワールド】M&A積極化し、再上場狙う

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神戸市にある本社

再上場の可能性も

こうした業績の回復とともに、再上場という話しも浮上してきた。同社はホームページで「現段階におきまして、決定している事実はありません」とのコメントを掲載しており、今のところ再上場には否定的だ。

ただ上山社長はいずれ再上場という選択肢があることを臭わせており、完全に否定しているわけではない。

ワールドは2005年に敵対的な買収を避けるため経営陣が自社株式を取得(MB0)し、自ら上場を廃止した。スキームは既設の休眠会社2社を活用したもので、ワールドは休眠会社のうちの1社の完全子会社となり、2006年に両社が合併し商号をワールドに変更。この時点で残りの既存会社の1社が商号変更したワールドの親会社となった。

MBOは経営者と株主との間で利益相反を引き起こす取引であることや経営者が株主と比べて大きく情報優位に立つ取引であることから、これまで証券取引所は十分な開示を求めてきた。

東京証券取引所は今後MBO後の再上場が増える傾向にあることから、2016年12月に再上場審査に関して「MBO と再上場の関連性が高くないか、プレミアム配分の適切性やMBO 実施の合理性が低くないかを審査する」とのコメントを発表した。

さらにそのうえで「再上場時のコーポレート・ガバナンスの体制や再上場に至るまでの経緯の説明・開示などを勘案し、総合的に再上場の可否を判断する」とした。

ワールドの再上場について取引所がどのような判断を下すのか。再上場申請時期とともに注目したい。

ワールドの沿革と主なM&A

内容
1959 資本金200万円で神戸市生田区(現・中央区)に、ニット婦人セーターの卸売業・ワールドを設立。 社長は木口衞氏、専務は畑崎廣敏氏
1965 事業発展に伴い、東京都台東区に東京店を設置
1972 社長に畑崎廣敏氏が就任
1977 CIを導入し、現在のコーポレ ートマーク、コーポレートカラーの基礎を開発
1978 創立20周年を記念し、神戸市に20億円を寄付(この寄付金を基に神戸市が建設した多目的施設「ワール ド記念ホール」が1984年に完成)
1984 神戸市中央区(ポートアイランド)に新社屋を竣工し本社を移転
2005 MBOによる株式の公開買付けを行い、上場を廃止
2005 繊維専門商社プライムキャストをグループ会社に迎える(現・ワールドプロダクションパート ナーズ)
2006 ジャージ素材メーカーのワールドジャージサプ ライをグループ会社に迎える
2008 繊維全般の染色及び加工を行う千本松染色工業をグループ会社に迎える(2011年5 月にワールドインダストリー富山に商号変更)
2009 1月13日に創立50周年
2014 スウィート系ランジェリーブランド「リサマリ」を展開するケーズウェイ社をグループ会社に迎える
2015 ジャージ製品の製造メーカーであるセンワをグループ会社に迎える
2015 社長に上山健二氏が就任
2017 ワールドを持株会社とする事業持株会社体制へ移行
2017 日本政策投資銀行とファンド運営会社W&Dインベストメントデザインを設立。ファッション特化型の共同ファンド「W&Dデザインファンド」を組成
2017 家具や雑貨などの輸入、販売、卸を行うアスプルンド をグループ会社に迎える
2018 ファッションレンタルサービスを展開するオムニスをグループ会社に迎える
2018 ブランド古着の買取・販売を行うティンパンアレイを完全子会社化
2018 クラウドファンディングプラットフォームを運営するキャンプファイヤーに資本参加

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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