クリーン市場の成長次第 

資生堂がベアエッセンシャル社を買収した直前の2008年12月期のベアエッセンシャル社の業績は、売上高が前年度比8.8%増の5億5616万ドル(当時レートで約523億円)、当期純利益が同11.2%増の9796万ドル(同92億円)と増収増益だった。ただ純資産はマイナス30万ドル(同2800万円)という厳しい状況にあった。 

ベアエッセンシャル社は天然素材を用いた自然派と呼ばれる化粧品を手がけており、資生堂は米国や欧州市場で拡大が見込めると判断し、1600億円もの大金を投じた。その後、ベアエッセンシャル社の売り上げが思ったほど伸びず、2017年12月期に、特別損失を計上する羽目になった。 

一方のドランク・エレファント・ホールディングスの売上高は、ベアエッセンシャル社の4分の1ほどだが、買収直後の2019年12月期の伸び率はベアエッセンシャル社の8倍ほどに達する見込み。純資産(2018年12月期)は3800万ドル(約41億円)で、マイナスだったベアエッセンシャル社と比較すると財務内容もいい。 

資生堂の予想通りに人体や環境にクリーンな製品を求める動きが世界中に広まれば、ベアエッセンシャル社で味わったような苦渋は回避できそうだ。

文:M&A Online編集部